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マーク・フォースター監督インタビュー “男の中の男”ジェラルド・バトラーを語る

元麻薬売人という異色の経歴を持ち、ある出会いをきっかけにアフリカの内紛地域の子供たちの救出活動に身を投じている男、サム・チルダースの壮絶な半生を描いた『マシンガン・プリーチャー』。今なお紛争が続く危険地帯を実際に肌で感じ、衝撃的な真実を描き出したのは『007/慰めの報酬』でヒットメイカーの地位を確立したマーク・フォースター監督。前作の大ヒットから一転、全く毛色の異なる本作でメガホンを取った彼が発見した新境地とは——? 本作に込める想い、初タッグを組んだジェラルド・バトラーとの撮影話と共に語ってくれた。

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『マシンガン・プリーチャー』 マーク・フォースター監督 -(C) Ilze Kitshoff c 2011 MGP Productions, LLC.  All Rights
『マシンガン・プリーチャー』 マーク・フォースター監督 -(C) Ilze Kitshoff c 2011 MGP Productions, LLC. All Rights
  • 『マシンガン・プリーチャー』 マーク・フォースター監督 -(C) Ilze Kitshoff c 2011 MGP Productions, LLC.  All Rights
  • 『マシンガン・プリーチャー』 -(C) Ilze Kitshoff © 2011 MGP Productions, LLC. All Rights Reserved.
  • 『マシンガン・プリーチャー』 -(C) Ilze Kitshoff © 2011 MGP Productions, LLC. All Rights Reserved.
元麻薬売人という異色の経歴を持ち、ある出会いをきっかけにアフリカの内紛地域の子供たちの救出活動に身を投じている男、サム・チルダースの壮絶な半生を描いた『マシンガン・プリーチャー』。今なお紛争が続く危険地帯を実際に肌で感じ、衝撃的な真実を描き出したのは『007/慰めの報酬』でヒットメイカーの地位を確立したマーク・フォースター監督。前作の大ヒットから一転、全く毛色の異なる本作でメガホンを取った彼が発見した新境地とは——? 本作に込める想い、初タッグを組んだジェラルド・バトラーとの撮影話と共に語ってくれた。

『チョコレート』、『ネバーランド』など登場人物の心の揺れを繊細に映し出す作品や『007』のような大作エンターテインメントまで、幅広いジャンルの作品を手がけてきたフォースター監督。本作でメガホンを取る決め手となったのは何だったのだろう?
「どの作品も自分を変えるものだと考えているし、そもそも“この映画を作りたい”という気持ちは個人的な理由から生まれるものだと思う。今回の場合は、サム・チルダースという一人の男に魅了されました。今ふり返ると、映画に影響を受けたというよりスーダンの子供たちや、彼らの置かれた環境に影響を受けたという方が正しいかもしれない。人はどんなに苦しくても『勇気』というものを持ち続け、信じ続ける生き物である、ということを学んだよ」。

ゲリラの襲撃により親を亡くした子供たちや、地雷により命を落とす子供たちを目の当たりにし、闘志を奮い立たされるサム・チルダース。チルダース本人曰く「自分が子供たちを救ったのではなく、子供たちに自分が救われた」というように、フォースター監督も「いつも感じることだが、子供たちとの仕事は驚きを与えてくれる」と言う。今回も撮影を行った南アフリカの子供たちにたくさんのパワーを与えられたようだ。
「出演してくれた南アフリカの子供たちはみな、演技は初体験だったが、驚くほどの自然体で状況に適応し、とてもリラックスして演じてくれた。見ていて実に美しい光景だったよ。撮影自体はすべて計画どおりに進んだので、披露できるほどドラマティックな逸話はなかったな(苦笑)」。

サム・チルダースという強烈な経歴の持ち主を演じる俳優に選ばれたのは、最近では肉体派俳優としての活躍が目立つジェラルド・バトラー。本作で製作にも名を連ねるジェラルドについて、監督は“男の中の男”と認める。
「キャスティングの際に、観客が見ていて信じられる存在で、極めて男性的な俳優がいいと思った。そういう役者を探してみると、これか決して多くはないんだ。その点、ジェラルド・バトラーは“男の中の男”的な人間の強さをリアルに演じられる。これが決め手となったね。彼もサム・チルダースの物語に強く心を動かされたひとりだった。だからほかのスタッフと同じように、大変な情熱をもって撮影に臨んでくれた。映画の中身については、彼や脚本家のジェイソン・ケラーと密に話し合ったし、ペンシルバニアのサムの家に行き、彼への取材も行なった。実話の映画化だから、私たちはそのスピリットを正確に模索する必要があると感じていたんだ。クリエイティブな面でも、ジェラルドとは本当にがっつりと組んだよ」。

現在42歳。常にリアリティを追求したエンターテインメント作品を作り上げてきた監督の徹底した姿勢がうかがえる。そんな彼の監督人生の中で、影響を受けた作品を尋ねると、1本のドキュメンタリー映画を挙げてくれた。
「ドキュメンタリー映画『WATARIDORI』はとても強烈だった。詩と人生、アートがひとつになった作品だったからだ。鳥たちの生態が人間の生き方のメタファーとして描かれていて、渡り鳥の旅の高みが自由を象徴し、その次には突然悲劇が訪れることもある。それらすべてが美しく昇華された、本当に素晴らしい作品だった。私が撮った『主人公は僕だった』で、ウィル・フェレルがテレビに出演するシーンで渡り鳥を登場させているんだけど、あれはこの映画への敬意の表明なんだ」。

さらに自身の映画作りのモットーについて「今という時代への意識」が重要だというフォースター監督。
「どんな物語を作るにしても、人々が生きている今という時代への意識を高められるように努めているし、自分が映画を作るうえで、それは重要なこと。自分のモットーは、“自分がこんなふうに接してほしいと思うように、他人に接する”ということ。現代は映画作りに関わらず、行動のすべてが周囲に影響を与えている。常にそれを忘れようにしないといけない。時の流れがスピードアップしている現代だからこそ、我々の言葉や作り出すもののインパクトが大きくなる。それに対する自覚は大切なことだよ」。

ちなみに次回作『World War Z』(原題)では、ブラッド・ピットを主演に迎え、世界規模にわたるゾンビの侵略戦争を描く。鬼気迫るパニック・スリラーという、また180度異なる作品で今度は“今”の時代にどんな問題提起をするのか——?
《シネマカフェ編集部》

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