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惜しまれつつも、その歴史に終止符を打つ劇場たち…銀座シネパトスら3館が今年閉館へ

2013年も劇場では多くの映画が公開される。ゴールデン・グローブ賞や、アカデミー賞などの賞レースがいよいよ本格化し、映画業界が一層の盛り上がりを見せる一方で、実はすでに3館の劇場の閉館が決定しているという厳しい状況にあるのがいまの“映画産業”の実態でもある。

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『インターミッション』 -(C) 2013「インターミッション」フィルムパーナーズ
2013「インターミッション」フィルムパーナーズ 『インターミッション』 -(C) 2013「インターミッション」フィルムパーナーズ
  • 『インターミッション』 -(C) 2013「インターミッション」フィルムパーナーズ
2013年も劇場では多くの映画が公開される。ゴールデン・グローブ賞や、アカデミー賞などの賞レースがいよいよ本格化し、映画業界が一層の盛り上がりを見せる一方で、実はすでに3館の劇場の閉館が決定しているという厳しい状況にあるのがいまの“映画産業”の実態でもある。

今年3月末に閉館することが決定したのは、4半世紀にわたって独特のラインナップで映画ファンをうならせてきた銀座シネパトス。洋画、邦画のピンク映画が中心に上映されていた昭和43年開館の「銀座名画座」がシネパトスの前身となる。インディペンデント作品、アート系ミニシアター、ドキュメンタリーに留まらず、ホラーやB級、C級といったマニアックな作品に至るまで、映画の楽しみ方をとことん追求した異色の編成で映画ファンたちを魅了し続けてきた。

そんなシネパトスの最後の上映作品となるのが秋吉久美子、染谷将太、竹中直人、佐野史郎、佐伯日菜子、玄里ら豪華キャストが集結した映画『インターミッション』だ。“インターミッション”とは、大作映画の間に挟まれる休憩時間のこと。文字通り映画館の休憩時間に展開される、数々のユニークな観客たちの会話劇が織りなすストーリーとなっている。メガホンを握ったのは、平成21年のシネパトス「名画座宣言」以来、支配人と共に数々の旧作の特集上映、 キャスト、 スタッフを招いてのトークイベントを敢行してきた樋口尚文監督だ。日本映画黄金期の大スターから現在のインディペンデント映画のホープまで、映画愛あふれるキャスト陣によって繰り広げられる“奇跡の映画”がシネパトスの最期を飾る。

さらに5月末に惜しまれつつ閉館するのが、同じく銀座に位置する銀座テアトルシネマ。現在、ジャン・レノの最新作『シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~』を上映している本館では、今後も2012年ベルリン国際映画祭金熊賞グランプリを受賞した『塀の中のジュリアス・シーザー』やアカデミー賞外国語映画賞最有力の呼び声高いミヒャエル・ハネケ監督作『愛、アムール』など確かなセンスが光る良質な作品の公開が控えている。

そんな銀座テアトルシネマでは「“さよならカウントダウン5”プレゼントキャンペーン」と題し、『声をかくす人』『シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~』『塀の中のジュリアス・シーザー』『愛、アムール』『天使の分け前』を鑑賞した人を対象に、抽選でプレゼントが当たるキャンペーンを実施中なのでお見逃しなく!

最後は昨今、急激に劇場の閉館が相次ぐ渋谷の劇場がまた一つ…。渋谷クロスタワー2階にある古き良き映画館・渋谷東急も来年5月中旬に閉館となる。2003年の6月末日の渋谷東急文化会館閉館に伴う直営映画館の代替館として同年7月に運営を開始し、現在まで“文化発信の地”渋谷の一端を担ってきた渋谷東急だが、10年間の定期建物賃貸契約が満期を迎え、閉館する運びになったという。本館では今後、今週末公開のブルース・ウィリス×ジョセフ・ゴードン=レヴィット競演作『LOOPER/ルーパー』やイ・ビョンホン主演最新作となる『王になった男』が公開される予定だ。

惜しまれながらも由緒正しき映画館が一つ、また一つと閉館していく一方で昨年末に、新宿に新たな映画館・新宿シネマカリテがオープンしている。現在の新宿武蔵野館の位置に1994年10月~2001年末までの7年間、美術館を併設したミニシアターとして、その名称で存続していた劇場がおよそ10年ぶりに復活する形で再オープン。新宿武蔵野館同様 “なんでもあり!” のラインナップに、作品の世界観を演出したディスプレイをブレンドし、ミニシアター道を突き進むようだ。

個性的で良質な作品を数多く上映してきた劇場の相次ぐ閉館。閉館してしまうその前に、ぜひ足を運んで劇場それぞれの雰囲気、匂い、そしてそこでしか味わえない熱気を感じ取ってみて。

© 2013「インターミッション」フィルムパーナーズ
《シネマカフェ編集部》

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