※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

山田洋次監督、フィルム衰退に怒り「デジタル化で映画は豊かになったのか?」

日本を代表する名匠・山田洋次監督が4月15日(月)、都内のスタジオで監督82作目となる最新作『小さいおうち』の製作発表会見を行った。

最新ニュース レポート
注目記事
松たか子&吉岡秀隆&黒木華&片岡孝太郎&妻夫木聡&倍賞千恵子&山田洋次監督/『小さいおうち』製作発表会見
松たか子&吉岡秀隆&黒木華&片岡孝太郎&妻夫木聡&倍賞千恵子&山田洋次監督/『小さいおうち』製作発表会見
  • 松たか子&吉岡秀隆&黒木華&片岡孝太郎&妻夫木聡&倍賞千恵子&山田洋次監督/『小さいおうち』製作発表会見
  • 山田洋次監督/『小さいおうち』製作発表会見
日本を代表する名匠・山田洋次監督が4月15日(月)、都内のスタジオで監督82作目となる最新作『小さいおうち』の製作発表会見を行った。

中島京子による直木賞受賞作の映画化となるが、「原作を読んで、すぐ中島さんに手紙を書いた。何とも言えない色気の向こうに、ドキドキする不安や罪が隠されている」と山田監督。映画撮影のデジタル化が進む現状については、「デジタル化で映画は豊かになったのか。単なる合理化にしか思えないし、フィルム生産がどんどん減っていくのは腹立たしい思い。私が生きているうちは、フィルム撮影を続けたい」と最新作にも変わらぬこだわりを貫く姿勢を見せた。

東京郊外の“小さいおうち”で起こった小さな恋愛事件の真実を、昭和10年代と現代の2つの時代を通して描き出す、山田監督初のラブストーリー。舞台となる平井家に仕えた女中・タキが残した大学ノートに記された奥様・時子の秘密とは? 「こういうタイプの作品は僕も初めて」(山田監督)。会見には山田監督を始め、主人公・時子を演じる松たか子、共演する吉岡秀隆、黒木華、片岡孝太郎、妻夫木聡、倍賞千恵子が劇中衣装で出席した。

本作は今年3月からクランクインし、現在は約3か月に及ぶ撮影のちょうど折り返し地点。昭和モダンを感じさせる風貌の松さんは「衣装さんやメイクさん、それにもちろん共演者のみなさんのおかげで、私は時子さんでいられる」とニッコリ。山田組への参加は『隠し剣 鬼の爪』以来9年ぶりで「“生み”の苦しみを感じつつ、毎日何かが起こる山田監督の現場にいられるのはとても幸せ」と語った。

昭和時代のパートでは黒木さんが平井家に仕える女中・タキを、片岡さんが平井家の旦那様・雅樹を、そして吉岡さんが雅樹の会社で働く青年・板倉正治を演じており「山田監督とご一緒できるのはとても光栄。刺激になるし、良い勉強になっている。(晩年のタキを演じる)倍賞さんにいいバトンを渡せれば」(黒木さん)、「映画の経験はほとんどないので、みなさんの足を引っ張っております…」(片岡さん)、「山田組の何も変わらないことに驚いている。それが魅力です」(吉岡さん)と思いはそれぞれ。

また、5月から撮影が始まる平成のパートでは、晩年のタキを倍賞さんが、タキを慕う親類の青年・荒井健史を妻夫木さんが演じ「山田さんの作品は久しぶり。黒木さんのバトンを落とさないよう頑張りたい」(倍賞さん)、「(『東京家族』に続き)2作連続で出演できて光栄。厳しくも温かい演出をいただき、俳優としても人間としても成長させてもらっている」(妻夫木さん)。会見終了後には、舞台となる赤い屋根が印象的な“小さなおうち”のセットが公開され、「第一印象は立派だけどかわいい雰囲気。それにモダンでオシャレですね。映画はほとんど室内劇で、ささやかな幸せやさざ波、秘密が繰り広げられる場所」(松さん)と話していた。

『小さいおうち』は5月末にクランクアップし、2014年1月、全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》

関連記事

特集

【注目の記事】[PR]

特集

page top