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「銀熊賞」の黒木華、帰国後初会見! “今時じゃない女”の慎ましやかな<一問一答>

第64回ベルリン国際映画祭の「コンペティション部門」に出品された、山田洋次監督・最新作『小さいおうち』(英題:The Little House)。女優の黒木華が23歳という最年少で「最優秀女優賞」となる「銀熊賞」を受賞し注目を集めているが、

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黒木華&ベルリン国際映画祭「銀熊賞」トロフィー/『小さいおうち』会見 in 成田空港
黒木華&ベルリン国際映画祭「銀熊賞」トロフィー/『小さいおうち』会見 in 成田空港
  • 黒木華&ベルリン国際映画祭「銀熊賞」トロフィー/『小さいおうち』会見 in 成田空港
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  • 黒木華&ベルリン国際映画祭「銀熊賞」トロフィー/『小さいおうち』会見 in 成田空港
  • ベルリン国際映画祭・レッドカーペットでの山田洋次監督&黒木華 (c) JEAN-LOUIS TORNATO
  • 『小さいおうち』 (C)2014「小さいおうち」製作委員会
  • 『小さいおうち』-(C) 2014「小さいおうち」製作委員会
第64回ベルリン国際映画祭の「コンペティション部門」に出品された、山田洋次監督・最新作『小さいおうち』(英題:The Little House)。女優の黒木華が23歳という最年少で「最優秀女優賞」となる「銀熊賞」を受賞し注目を集めているが、そんな彼女が2月17日(月)午前11時、輝くトロフィーと共にベルリンから帰国し、成田空港にて喜びの会見を行った。

中島京子の直木賞受賞作を原作に、太平洋戦争突入以前、東京郊外の昭和モダンな“小さいおうち”で起こった“恋愛事件”を描いた本作。黒木さんは、松たか子演じる奥さまの秘密を見守る女中のタキ役を好演し、今回の「銀熊賞」に輝いた。

現在、日本国内にて観客動員数70万人を突破し、大ヒットとなっている『小さいおうち』。今回さらなる吉報となったわけだが、山田監督は「僕もビックリするくらいの出来事です。でも、この子が国際的女優になれて本当に良かった。ほかの賞よりも、『女優賞』を受賞したというのは、僕はとても嬉しいな。僕たちを代表して、この子が賞を受け取ってくれた。あの時代の日本の女性を、いまの若い女優さんで演じることができる人は少ないんじゃないかと思います。そのイメージを彼女は見事に応えてくれました。そして、その映画は僕たちが作ったんだと、スタッフも、僕も思っているからね。彼女に堂々と受け取ってもらえればいいと思っています」とコメントを寄せている。

一方、ベルリン国際映画祭の審査員の総評も公開されたが、「『小さいおうち』には、いろいろなタイプの女性が出ていましたが、タキはその全ての女性を繋ぐキーパーソンとして大事な役どころでした。今回、女性陣が活躍している作品が『コンペティション部門』の中に多数ありましたが、黒木さんの演技力が群を抜いていました。一方、山田洋次監督に、賞をあげたいと思っていましたが、ほかの作品への賞もあり、賞が足りなくなってしまいました。その中で、女性を素敵に描いている作品として、黒木さんに女優賞を差し上げましたが、それは山田洋次監督を含め、作品を代表してあげたものです」とのこと。

<以下、黒木華・帰国後記者会見/一問一答>

Q.受賞されたお気持ちやコメントなどをお願いします。

黒木さん:
いろんなところで、受賞したときの映像が流れてるって聞いたんですけど、本当にあんな顔のままで、すごくビックリしました。まさか自分が「女優賞」をいただけるとは思っていなかったので。本当に映画が素晴らしくて、それを海外の方が認めてくれてのことだと思うので、『小さいおうち』のみんなでもらった賞だなと思います。それがすごく嬉しいです。ありがとうございます。

Q.現地の映画祭の審査員の総評では、「『小さいおうち』には色々なタイプの女性の方が出ているが、タキはその全ての女性をつなぐキーパーソンとして大事な役どころだった。そんな女性を素敵に描いている作品の代表としてこの賞をあげたのです。」とありましたが、そういったことを受けてどのように感じられますか?

黒木さん:
嬉しいですね。日本の昔の生活を(描いていて)、山田監督の忘れてほしくないという思いで撮られた映画だったので、戦争のことなど…。そういうことも含めて、私は女性なので、そこを高く評価していただけたというのはすごく嬉しいです。

Q.これだけの報道陣が集まり、既に報道もいくつか目にされているかと思うんですが、帰って来てこの日本の環境をどのように思いますか? 何か実感はありますか?

黒木さん:
実感はまだあまりないんですけど、でも、このおかけで、今まだ(映画が)やっているので、『小さいおうち』をみなさんが観てくれたら嬉しいなと思います。

Q.これだけフラッシュをいま浴びていますが、出国前にはこういう風になると思っていましたか?

黒木さん:
出国前は思っていなかったです。ただ単純に山田監督にこのベルリン映画祭に連れて行っていただけるというのがすごく嬉しくて、それだけで良かったのに、こうやって賞までいただけて、ありがたいなと思います。でも、私が大きなことをしたわけではなくて、山田監督が本当に素晴らしい作品を撮って、それが評価されたということなので…。

Q.受賞から一日経って、ご両親やお世話になった人とお話はされましたか?

黒木さん:
母と父には電話をしました。みんな喜んでくれるんですけど、自分の娘がそういう場にいるということにあまり実感がないようで…。だから、「なんかすごいね」って言っていました(笑)。野田秀樹さんからもコメントを頂いたりして、やっぱり私のスタートのきっかけが野田さんだったので、それはもう本当に嬉しかったですね。

Q.トロフィーをもらったときの正直なお気持ちと、山田監督とはどういった形で喜びを分かち合ったのか教えていただけますか?

黒木さん:
手に持ったときは、(トロフィーが)すごく重くて、そこで「頂いたんだな」という実感がありました。監督は、渥美(清)さんとお話をしていたときのことを話してくださって、「僕は自分の作品に出ている役者さんが賞をもらったりするのを喜んでいるのが好きなんだ。華ちゃんがそうやって獲ってくれたから、すごく嬉しいよ」と言ってくださいました。本当に山田監督が喜んでくださって、嬉しいです。

Q.国際映画祭に初めて行かれて、全体の雰囲気をどのように感じましたか?

黒木さん:
ベルリン映画祭は初めて行ったのですが、すごく良い映画祭でした。地元のみなさんがお仕事を休んで映画を観に行くくらい映画好きな方たちばかりで、街全体が映画祭を盛り上げているんです。その雰囲気がすごく伝わって来て、ベルリンの方たちも優しい方たちばかりでしたし、本当にすごく素敵な映画祭でした。

Q.女優になる前に憧れていた女優さんや、今目標にしている女優さんはいらっしゃいますか。また、今回賞を獲ったことで、これから黒木さんが女優として活動していく中で変わったことや励みになるようなことはありましたか?

黒木さん:
大好きな女優さんはやっぱり松さんなので、その松さんと一緒に出ることのできた映画というのも私はすごく嬉しいですし、松さんも喜んでくださっているようなので、それがすごく嬉しいです。これを頂いたことは、私の人生にすごく大きなことで関わってくるとは思いますが、あまり変に気にせず、自分自身のペースを持ってこれからも頑張っていけたらいいなと思います。

Q.“日本人最年少”での受賞という点についてはどのように思われていますか?

黒木さん:
おお(笑)! 信じられないと思いました。本当にこの役をやらせていただいて、運が良かったなと思います。素敵な女優さんの中に名前を挙げていただけて、頑張らなきゃなって思います。

Q.次こんな賞を獲れたらな、というのはありますか?

黒木さん:
獲れたらなんでも嬉しいですけど(笑)、でもやっぱり賞というよりも、作品がいろんな方に評価されたり、「好きだ」って言ってもらえることの方が私は嬉しいです。

Q.演じるときに気をつけていることなどがあれば教えてください。

黒木さん:
そうですね…できるだけフラットでいれるようには気をつけているかも知れないです。あまり自分で気持ちを固めたりとかせず、たくさんの方が関わっているものなので、周りの方と話をしたり、「自分の気持ちが凝り固まったりしないようにしよう」といつも心がけています。

Q.某朝ドラの方も某研究者の方も割烹着で、最近“割烹着”の方がたくさんいらっしゃいますが、黒木さんは割烹着着た方が活躍されていることに何か思われることはありますか?

黒木さん:
そうですね…(笑)。この割烹着をいただいて、家で料理するときとかに使っているんですけど、やっぱりすごく便利で、お腹も冷えないし、服も濡れないし、みんな使えばいいのになって思います(笑)。

Q.公式上映のときには、山田監督と一緒に世界中から集まったお客様と映画をご覧になったと思うんですが、日本とは違う反応などはありましたか?

黒木さん:
すごく特別な空間にいさせてもらったなと思いますね。やっぱり素直な反応を間近に見れたので、タキちゃんがお見合いをして奥様に「鉄砲当たらなくても死んじゃうわよ」って言われているところとか、みんなすごく笑ってくださったりとか。そういうところを見ていて感じるのがすごく嬉しくて、会場が一体になっている感じがして、監督もそれを感じてらっしゃったようで、すごく良い試写でした。すごく嬉しくて、本当に感動してしまいました。上映が終わった後の拍手がとても温かくて、「ここに来れてよかったな」と心から思いました。

Q.今回の作品は黒木さんの知らない昭和の時代の作品でしたが、苦労した点や大変だったことはありますか?

黒木さん:
着物で色々な所作をするというのが一番難しかったかなと思います。普段着物を着て過ごすということがないので、昔の女中さんがやりなれているようにできるように、日常で着物を着たりとか、たすきがけをしたりとか…。「女中訓」を読んで女中さんの生活を勉強したりしました。

Q.ベルリンで世界を見て、視野も広がったと思いますが、海外の作品に興味が湧いたり、活動の幅を広げてみたいというお気持ちはありますか?

黒木さん:
それは、もともと変わらず、お芝居自体が好きなので海外で出させていただける機会があればどんどんチャレンジしていきたいですし、色んな監督さんを見ることができたので、遠かったもの、夢の中にしかなかったものが目の前にある、というのを経験できたということは、たぶんちょっとずつ変わったのかなと思います。そういう機会があれば頑張りたいと思います。

Q.夢というものがビジョンとして見えてきましたか?

黒木さん:
ちょっとだけですかね。まだまだ自分は英語も喋れないので勉強しなきゃなとも思いましたし…。ほんの少しだけですけど、でもこの経験は自分にとって大きかったなと思います。

Q.山田監督から、「今時の女性じゃない」と言われたことは、どんな心境ですか?

黒木さん:
自分が自分自身で今時じゃないと思っているわけではないですし、でも、監督からそう見えるっていうことに、そう思っていただけて嬉しいなとも思います。そのおかげでタキちゃんができたので、「やったな」って思います。

Q.では、今後も“今時じゃない”というその路線は変えずに?

黒木さん:
自分で意識しているわけじゃないので…私、普通に今時です(笑)。

『小さいおうち』は全国にて公開中。
《シネマカフェ編集部》

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