僕は北欧映画がとても好きなので(もっとも、好きでない地域や国などないけれど)、もうかれこれ6~7回(もしかしたらそれ以上)ここヨーテボリの「北欧映画マーケット」に参加していて、その最大の目的が「Works in Progress(=現在仕上げ作業中の作品)」のプレゼンテーションを見ること。今年の東京国際映画祭に、出来たてホヤホヤの状態で招待したくなるような作品が出てくるかどうか、もう楽しみでたまらない。
例えば、ある作品の抜粋シーンで、今やスウェーデンより勢いがあると言われるノルウェイに関してどう思うかを聞かれたスウェーデンの女性の答えは、「嬉しいわ。メンタルのハンディがある従弟(いとこ)が、宝くじに当たった気分よ(Mentally challenged cousin who won the lottery)」。もちろん、場内爆笑。とても勉強になるし、むしろスカンジナビア地域以外の人が見るべきなのかもしれないな。
15時から、昨年のモントリオール映画祭で審査員特別賞を受賞している『A Thousand Times Good Night』というノルウェイの作品で、主演はジュリエット・ビノシュ。ビノシュが演じる、恐れを知らない有能な戦場カメラマンが、彼女の身を案じる家族の気持ちを大事にして仕事を辞めるか、それとも自分の信念を捧げた仕事を優先するか、そのジレンマに悩むお話し。