15時過ぎに上映に戻り、コンペ部門に出品されているアラン・レネ監督新作『Life of Riley』(仏語の原題は「Aimer boire et chanter」)へ。戯曲を芝居仕立てで映画化したキッチュ(?)なコメディー作品で、老いてますます若々しく軽やかさを増す作風に、しみじみ感服。
17時半から、「フォーラム」部門で、『The Forest is Like the Mountains』(写真)というドイツとベルギーの共同監督による作品へ。ルーマニアの僻地に暮らすロマ族の暮らしを追ったドキュメンタリー。人々の日々の営みをじっくりと見つめる姿勢が佐藤真監督の『阿賀に生きる』を連想させ、ギミック抜きのとてもまっとうなドキュメンタリー映画を久しぶりに見た思い。うん、これはとてもいい!
17時半から、同じ会場の「フォーラム」部門で『Everything that rises must converge』というアメリカの実験映画的作品。ポルノ映画の撮影に臨む4人の男女の日常をスプリットスクリーンで描くのが主な内容となる作品で、セックスとセックス描写の相対化を試みた作品、ということでいいのかな…。
19時から、メイン会場でのコンペ部門で、『Praira du Futuro』というドイツ在住のブラジル人監督による作品へ。陽光降り注ぐブラジルの海岸と、冷たい空気のベルリンの街とを舞台にした、ゲイのカップルの物語。そもそも、男女の物語だったら陳腐過ぎて映画になりえない設定が、ゲイのカップルだからと言って許されるのだろうか?そんなことはないはずだし、もしそうだとしたら、それこそ偏見なのではないか?