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【MOVIEブログ】2014カンヌ映画祭 Day1

カンヌ、いよいよスタートです。

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カンヌ、いよいよスタートです。

13日朝10時過ぎにスイスエアーに搭乗。企画プレゼンプロジェクトに参加する深田晃司監督や、某劇場の支配人の方など、同じ便に業界の方々の姿もちらほら。ああ、始まるのだなあ。

僕は機内で映画はあまり観ないのだけど、ついホビットの2本目と、ロード・オブ・ザ・リングの2本目を続けて観てしまった…(つい、という割には2本で6時間だけど)。後はいつものように「フレンズ」を見て、カンヌの資料をじっくり読み込んで、少し寝て、わりと元気にチューリッヒ到着。

トランジット時間に余裕がないので、少しダッシュしながら17時(欧州時間)の便でニース空港へ。19時に到着し、タクシー乗ってカンヌ到着。まずまず順調だったかな。宿に荷物置いてダッシュでマーケット会場にパスや資料の入ったバッグをもらいにいったら、IDパスは受け取れたけど、すぐ脇にあるバッグ受け渡しの受付が閉まってしまい、明日朝また出直して来い、とのこと。全くもう。あと10人くらいなのに! まったく悪びれないフランス人に文句言っても、のれんに腕押しなのでやめたけど、これがホスピタリティーかい??

まあ、それ以外は順調なのでよしとしよう。同僚たちと夕食を食べようとホテルの近所を歩いてみたら、すぐそばに良い雰囲気のレストランを発見したので(長年の常宿なのにいままで気付かなかった!)、大好きなレンズ豆のサラダ(美味!)と腸詰め(Andouillette、これは臭いが強烈なので、同じものを注文した同僚は途中で断念)を食べて、ワイン飲んだらすぐにフラフラで、部屋に戻って23時。即効で撃沈。

明けて14日、水曜日。4時に一度目が覚めたけど、熟睡できた! 6時くらいから、もぞもぞと活動開始。

8時に外に出ると、素晴らしい快晴だ! 気温は15~16度かな。長袖のシャツでちょうどいいくらい。とにかく、昨年と一昨年は雨続きのカンヌだったので、こんなに素晴らしいカンヌの青空は、とても久しぶり。猛烈に気持ち良い。これだけで気合いが入る!

無事にマーケット・バッグも入手し(写真)、同僚と朝食を取りながら、本日の動きを確認する打ち合わせ。今日はまだ上映が多くないので、ミーティングに集中することにする。

10時から、フランスの大手会社のプロモ集(新作や仕上げ中の作品の予告編集みたいなもの)を見ると、紹介された7本がどれも面白そうだ。全部日本に売れてもおかしくないくらい。もちろん僕は東京国際映画祭で上映できるものはあるか? という目で観るのだけど、普通に個人として観たい作品ばかりで、とても楽しみ。

続いてマーケット会場に行くと、実質初日なのになかなかの賑わい。マーケットは最初が肝心なので、今日から週末にかけて人が多いのが例年のパターン。天気のおかげでみんな元気そうに見えるのは僕の気のせいかな? それとも昨夜の腸詰め効果で妙に元気になっているのか? ともかく、何だか時差ボケもなく、やけに好調なので、すぐにミーティングに突入。

11時半から17時半まで、30分のランチを挟んで、ひたすらミーティング。会場を変えつつ、事前にアポを入れていたものと、飛び込みで会ったものと合わせて、連続で12社とミーティング。かなり効率的に回れて、これは初日から相当充実だ。

ミーティングでは、カンヌ以降の各社の秋のラインアップを確認し、秋の映画祭である東京国際映画祭への出品の可能性を探るのが目的。こちらから是非、ということもあるし、先方から是非、ということもある。各映画祭を回る話題作をトーキョーにも持ってくることを目標にすることもあるし、トーキョーでプレミアをやってほしいとお願いするケースもある。ともかく無数に作品があるので、出来る限り漏れの無いように幅広く情報を得ておきたいとなると、ミーティングはやってもやってもキリがないもの。今日は同僚の努力のおかげで、とても良い話がたくさん出来た!

会場を移動していると、「Hey!」と声をかけられ、誰? と振り向いてみると『モンティ・パイソン ある嘘つきの物語 ~グレアム・チャップマン自伝~』の監督、ベン・ティムレットだった! 2年前の東京国際映画祭で上映した際に来日し、とても素晴らしくQ&Aを盛り上げてくれて、ナイスガイ大賞を僕が心の中で進呈したベンと、感動の再会。「トーキョーは本当に最高で、たくさん回った映画祭の中でも最高の思い出なんだよ」と嬉しいお世辞を何度も言ってくれる。超ウルトラナイスガイぶりは健在で、本当にいいヤツだ! なんだか僕はウルウルしてしまったよ…。

19時近くにマーケット会場を出てみると、外はまさに黒山の人だかり。おお、忘れかけていたけど、今日はカンヌ映画祭のオープニングなのだ。作品は『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』(日本は10月公開予定とのこと)で、みんなニコール・キッドマンお目当てですな。

僕はオープニング作品を観る予定はないので(観たいけど)、市内の少しはずれたところにあるレストランへ移動。カンヌ映画祭の「監督週間」部門の元ディレクターで、現在はトライベッカ映画祭のプログラマーである旧知のフレデリック氏が、各国の映画祭プログラマーを集めたミニ・パーティーを主催してくれたのだ。

こういう機会はなかなか無いので、とても貴重。知らない人も大勢いたのだけど、普段はあまりパーティーが得意でない僕も相手が同業だという気安さからなのか、どんどん自分から名刺を渡したりして交流してしまった(腸詰め効果持続中?)。

中でも、ウクライナのオデッサ映画祭のディレクターの女性との会話は印象的で、現在世界中が括目するウクライナがどのような空気なのか、直接聞けて背筋が伸びる思い。ただ、オデッサ映画祭は7月なので、是非行きたいと言うと「誰も来たがらないのに珍しいわね」と笑われて、とても軽いことを言ってしまった気がして猛省。でも、自国が内戦の危機に陥っているときに映画祭を継続して運営しようとする気概に感動して、何とか応援したいと思ったら口に出てしまったのだ…。

2時間以上にわたり、20人くらいの人と連続で話をして、充実のパーティーだった! このような場を用意してくれたフレデリックに深く感謝。こういう場をトーキョーももっともっと用意しなければと、これまた神妙な思いになりつつ背筋が伸びる。

さて、お店の人がガシガシワインを注いでくれたので、すっかり僕は出来上がってしまったものの、まともな夕食を食べられるのもおそらく今日が最後だろうということで、同僚たちと合流し、22時くらいからホテルに近い適当なレストランに入って夕食。外のテーブルでステーキをパクついていると、知り合いがたくさん脇を歩いて行くので、食べながら挨拶などして、ああカンヌだなあ、と改めて思いつつ、夜は更けて。

23時半くらいにホテルにもどり、ブログを10行書いたところでパソコンの前で寝てしまったので、そのままベッド行きでダウン。
《矢田部吉彦》

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