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【MOVIEブログ】5月オススメ映画『ぼくたちの家族』『野のなななのか』他

6月に入ってしまいましたが、5月公開イチオシ映画5本をご紹介します。

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『ぼくたちの家族』』 -(C) 2013「ぼくたちの家族」製作委員会
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  • 主演ヒュー・ジャックマン/『プリズナーズ』 -(C) 2013 Alcon Entertainment, LLC. All rights reserved.
  • 『プリズナーズ』-(C)2013 Alcon Entertainment, LLC. All rights reserved.
  • 『とらわれて夏』-(C) MMXIII Paramount Pictures Corporation and Frank's Pie Company LLC. All rights Reserved
  • ジョシュ・ブローリン&ケイト・ウィンスレット/『とらわれて夏』-(C) MMXIII Paramount Pictures Corporation and Frank's Pie Company LLC. All rights Reserved
6月に入ってしまいましたが、5月公開イチオシ映画5本をご紹介します。

『ぼくたちの家族』『野のなななのか』、石井裕也監督の円熟した演出と大林宣彦監督のフレッシュな感性。
『プリズナーズ』『とらわれて夏』『罪の手ざわり』“囚われた者”つながりの2作品(6/28公開『オールド・ボーイ』もご期待を)と、ジャ・ジャンクーの新作。


『ぼくたちの家族』
生真面目な兄と正反対に楽観的な弟。妻夫木聡と池松壮亮演じるこの兄弟のキャラクターがリアルですごく良く、ふたりの芝居も最高。父親のダメさ加減は極端だが、壊れてしまった家族をシリアスに見つめる。病室の家族4人を斜俯瞰からとらえたり、ロビーでばらばらの向きに座らせて母の驚きの本音を聞かせたり、演出が冴える。どん底から家族が再生していく軽やかな描写は石井監督らしく、爽やかな余韻が残る。


『野のなななのか』
大林宣彦監督のメッセージがぎっしり詰まった意欲作。「記憶」と「記録」についての映画だ。3月11日、14時46分。忘れたい時間、忘れてはいけない時間。時計の針は止まっても、季節・時代・記憶はめぐる。戦争と震災、1人の人間の死を並列に混沌とつなぐ。ジャンルや枠にとらわれない自由な語り口が約3時間飽きさせない。テーマは普遍、表現は斬新。過去と現在、死者といまを生きる者たちを繋ぐ音楽隊がとても印象的。野を渡り歩くメロディが観客の心に残り、映画は「記憶」に刻まれていく。


『プリズナーズ』
幸せな家族を脅かす“ある何者かの目線”。不穏なカメラワークは、この後に起こる悲劇をひしひしと予感させる。『ファーゴ』『ノーカントリー』などのコーエン兄弟作品や『ショーシャンクの空に』を手がける名撮影監督ロジャー・デイーキンスのカメラが怖い、その中でも暗闇をとらえる映像が特に。一向に解決しない誘拐事件の闇であり、人間の心の闇。人は極限状態に陥ってしまったとき、善と悪のどちらに転ぶか分からない。事件を追う刑事を演じたジェイク・ギレンホールが素晴らしい。ポール・ダノの真実を伝えたい“目線”の熱演も頭にこびりつく。濃密すぎる。重厚すぎる。異様なまでのサスペンスの強度に心が疲弊した。そして、絶妙なラストに唸る。


『とらわれて夏』
夫と別れてから心を病み、ふさぎ込んでいるケイト・ウィンスレット。愛を忘れていた彼女は、突然現れた脱獄犯ジョシュ・ブローリンと恋に落ちる。リアリティの無い設定に冷めてしまう人もいるかもしれない。ただ、この非日常的な恋愛には説得力がある。ブローリンが演じるキャラクターは優しく、たくましく、器用で、しかも料理が上手い完璧な男。ケイトの絶望に暮れる演技も相まって、胸をしめつけられた。ラブストーリーだけではなく、緊迫の逃亡劇としても楽しめる。息子の目線で語る構成も良く重層的な映画だ。


『罪の手ざわり』
実際に起きた事件をモチーフに描かれる4つの物語。印象的なのは、罪を犯してしまう人物の奥に広がる風景だ。人々の背景は説明されない、それでも「画」が雄弁に語る。高層ビルや巨大な集合住宅、さびれた郊外と壮大な自然。急激な経済成長の果て、貧富の格差が深刻化する現在の中国そのものを映し出す。罪びとたちは、完全な悪人とは思えない。唐突におとずれる暴力は哀しく恐ろしく滑稽でもある。


『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』『闇のあとの光』『サッドティー』も気になっていますが未見です、また来月。
《text:Shinpei Oguchi》

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