【シネマVOYAGE】音楽を片手にN.Y.散策へ…『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』

どこか旅に出るときに、必ず持っていく旅アイテムが誰にでもひとつやふたつあるだろう。美しい景色と旅の思い出を記録するカメラであったり、その場所で感じた気持ちを綴る…

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『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』 Photo by Alison Rosa (C)2012 Long Strange Trip LLC
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どこか旅に出るときに、必ず持っていく旅アイテムが誰にでもひとつやふたつあるだろう。美しい景色と旅の思い出を記録するカメラであったり、その場所で感じた気持ちを綴るためのノートや鉛筆であったり、お気に入りの本、街を散策するための歩きやすい靴…きっとそれぞれ違う。「音楽」を持って旅に出るという人もきっと多いはずだ。

今回のシネマVOYAGEで紹介する『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』は、まさに音楽を持って旅したくなる映画。音楽を聴きながらニューヨークの街を歩いてみたくなる、主人公のルーウィン・デイヴィスが歩いた道をたどってみたくなる映画だ。

2013年にカンヌ国際映画祭グランプリを受賞していること、コーエン兄弟の新作であることからもこの映画がいい映画、素晴らしい映画であることはすでに保証済。そんな大きな期待を持って観てもさらに「素晴らしい!」と唸ってしまうのだから凄い。その凄さは、何と言っても主人公のルーウィン・デイヴィスを演じたオスカー・アイザックの歌唱力とギターの演奏、哀愁おびた雰囲気──。

ルーウィンは伝説のフォーク・シンガー、デイヴ・ヴァン・ロンクがモデル。ロンクは、あのボブ・ディランが憧れたミュージシャンであることからも、ルーウィン役を演じられる俳優捜しはコーエン兄弟にとって難しい旅であり、実際「困難な作業だった」と語っている。けれど、オスカー・アイザックという逸材と出会ったことで、コーエン兄弟の「まるでドキュメンタリーのように生々しい音楽映画を撮る」という夢は叶った。

映画のなかで、オスカー・アイザックがルーウィンとして歌うのは「ガスライト・カフェ」のステージ。かつてデイヴ・ヴァン・ロンクが根城にしていたコーヒーハウス「The Gaslight Cafe」と同じ名前だ。いまはもうないけれど、そのカフェが実在した頃のニューヨークのマンハッタン区ダウンタウン、グリニッジ・ヴィレッジの街並を再現しているのもこの映画の見どころのひとつ。マクドゥーガル・ストリートを歩くだけでも、きっとその雰囲気を味わえるだろう。

「The Gaslight Cafe」を訪ねることはもうできないが、預けていた荷物を取りにルーウィンがミュージシャン仲間のジーン(キャリー・マリガン)を訪ねたとき、彼女が「レジオに持っていくわ」と言って2人がお茶を飲むシーンは「The Gaslight Cafe」があった場所のすぐ近く、マクドゥーガル・ストリートに面した「Caffe Reggio」で撮影されている。2人が座っている席は入口すぐの通りに面したテーブル席。そこでカプチーノを飲みながら映画を思い出すのもきっといい旅の1ページになる。

また、公園のベンチに座ってジーンがルーウィンに罵声を浴びせるのは「Caffe Reggio」からほど近くにあるワシントン・スクエア公園。グリニッチ・ビレッジのランドマーク的存在でありカルチャーの発信地でもあるこの公園で、パフォーマンスを見物するのもこのエリアらしい過ごし方だ。

ルーウィンがシンガーとしての再起をかけて有名プロデューサーのグロスマン(F・マーレイ・エイブラハム)を訪ねてシカゴにあるクラブ「the gate of horn」に立ち寄るシーンは、マンハッタンのハーレムにある「Greater Refuge Temple」と、グラマシー・パーク地域にある「Gramercy Theater」で撮影。カラフルな縦縞模様が印象的な「Greater Refuge Temple」は、昔ハーレムで一番古い舞踏場だった建物だそうで、現在は教会となっている。

教会にちなんだ音楽といえばゴスペル。アメリカ映画ではたびたび登場する教会のゴスペルを日曜日に聴きに行くのもいいし、「Gramercy Theater」に立ち寄ってライブを楽しむのもいい。

そして、『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』のロケ地を訪ねる旅のおともには、オリジナル・サウンドトラック「Inside Llewyn Davis」、ルーウィンのモデルでありボブ・ディランの憧れたフォーク・シンガー、デイヴ・ヴァン・ロンクの曲をお忘れなく。
《text:Rie Shintani》

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