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【MOVIEブログ】オススメ映画『物語る私たち』『FORMA』

人の記憶はなんて曖昧で主観的なものなんだろう。
そんな記憶について考えさせられた女性監督の秀作2本をご紹介します。

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『物語る私たち』 -(C) 2012 National Film Board of Canada All rights Reserved.
『物語る私たち』 -(C) 2012 National Film Board of Canada All rights Reserved.
  • 『物語る私たち』 -(C) 2012 National Film Board of Canada All rights Reserved.
人の記憶はなんて曖昧で主観的なものなんだろう。
そんな記憶について考えさせられた女性監督の秀作2本をご紹介します。


『物語る私たち』
父親のナレーション収録風景や撮影する自分自身もカメラに映し込む。さらには亡き母が映る8ミリ映像の一部は別の女優に演じさせたものだと知り驚いた。

ドキュメンタリーとフィクションの境目が無い。映画を撮るということ、人物を演じるということ。監督であり女優サラ・ポーリーだからこその「演出」。サラは家族へのインタビューを通じて明らかになる自身の出生についての“ある事実”を冷静に「映画」として観客に語る。しかもそこにユーモアを交える度量の大きさ!

サラの映画(=人生)を肯定するポーリー家の人々。亡き母の秘密を受け入れる家族たちの愛。特に膨大なナレーションを語る父親の優しさに胸打たれた。
この映画を観た人たちと語りたくなる。


『FORMA』
知らないうちに人を傷つけたり、人から憎まれていたり。あるいは見ず知らずの人から好意を持たれていたり。一方通行なコミュニケーションの怖ろしさを長回しで、じわじわとあぶり出す。

坂本あゆみ監督はカメラをほとんど動かさない。固定カメラで対象の全てを映さない演出は観客の想像力と記憶を刺激する。撮影の技術的な面だけではなく、主人公2人のキャラクター描写が実に人間らしく、映画の世界に引き込まれた。

本音とたてまえを使い分ける巧妙さ、思い込みで相手の人物像を膨らましてしまう残酷さ。自分の高校時代も思い出して、心がざわざわした。
《text:Shinpei Oguchi》

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