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【インタビュー】声優・島崎信長、“そこに生きている”ことに集中できた『君の名は。』の現場

エンドロールが流れるなか感じた、胸がしめつけられるような切なさ。そして、自分のこれまでの人生において、そういった類いの切なさが果たしてあっただろうか? と、つい柄にもなく思い返してしまうこの気持ち──『君の名は。』

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島崎信長『君の名は。』/photo:Nahoko Suzuki
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  • 『君の名は。』(C)2016「君の名は。」製作委員会
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楽しそうに語る島崎さんの話を聞いて、冒頭に挙げたような、リアルに自分ごととして『君の名は。』の世界に入り込んでしまうような感情をなぜ自分は抱いたのか、分かったような気がした。演者たちの、キャラクターがその場に息づいているような芝居で表現されるリアリティーの上に、新海監督が創造する魅力的なファンタジーが乗り、観客はその生き生きと描かれる物語に共感し、心を動かされるのだろう。

「もう“観てください!”ってことが一番ですね。観て、聞いて、絶対に伝わる作品になっていると思います。さらに言えば…解釈の余地がある作品だから、観た方によって、観た年代によって、観た性別によって、もしかしたら感想も解釈も変わってきたりするかも

しれません。全部が全部説明しているわけではないし、想像する余地や、考える余地がある作品なんで。ぜひご覧いただいて、自分が感じた感想とか、自分が思った解釈を、大事にしてほしいなあって伝えたいです。それは、あなただけの感想だし、あなたの感性で得た、あなただけのかけがえのない感情だと思うので。だから、最初は変に構えずにフラットな気持ちで観ていただいて、そこからいろんな人と話してみたり、視点を変えてもう一度観てみたり、いろんな楽しみ方をしてもらえたらいいんじゃないかなあって思います」。

ところで、インタビューのなかで島崎さんが最も破顔したのが、新海監督について語ったときだった。そこには、芝居や作品について語った際の適度な緊張感はなく、穏やかな表情を浮かべ、とても嬉しそうに話してくれる島崎さんの姿があった。

「新海監督は、とっても優しくて…成人男性に使う言葉かどうかわからないんですけど、ちょっと可愛らしいくらい(笑)。あと、作品にも通じる温かみをすごく感じるような素敵な方でしたね。やっぱり、すごい作品をたくさん作られている方だし、ちょっとだけ…初めてお仕事するにあたって身構えてしまう部分とか、覚悟を決めて挑むみたいな気持ちがあったんですけど、“そんなもの必要ないよ”と言わんばかりに、すごく気さくに、柔らかく接していただきました。でも、ものづくりに対する情熱はやっぱりすごいものがありましたし、なにより、楽しんで作ってらっしゃるんだなあって感じました。仕事をご一緒すると“新海監督と一緒に、もっといいものを作りたい、もっと楽しいものを作りたい”ってたぶん…みんなが思うような、そんな方なんじゃないかなあ。だからすごい作品がたくさん作られてきたんだなあって納得させられるような、そんな方でしたね」。

さらに島崎さんは、「これ言っていいかわからないんですけど」と前置きしつつ、新海監督の人柄を表すような、とっておきのエピソードも教えてくれた。

「僕が主演していた『寄生獣 セイの格率』をご覧になっていたみたいで、“いやあ、信長さんの声好きなんですよ”って直接言われて、すごくビックリしました(笑)。監督に直接“声好きなんですよ”って言われることなんて、なかなかないじゃないですか。それを普通に、改まることもなく素直に伝えてくださる。たぶん、お人柄が成せる技というか…僕はとても嬉しかったけど(笑)、恐縮でもあり、ビックリもしましたね(笑)。とっても素直で、凝り固まったものとか、固定概念とかがないんだろうなって。柔軟な方だと思いました」。

まさにその新海誠監督の伸びやかさが随所に散りばめられている最新作『君の名は。』。ストーリーはもちろん、“そこに生きている”キャストたちの芝居にも注目してほしい。
《text:とみた まい/photo:Nahoko Suzuki》

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