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【インタビュー】ベネディクト・カンバーバッチ、ドクター・ストレンジとの共通点を明かす

「他人になり切る俳優の仕事は、かなり“ストレンジ”。それに、僕の名前と顔もわりと“ストレンジ”だよね(笑)」。

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『ドクター・ストレンジ』(C)2017MARVEL
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「他人になり切る俳優の仕事は、かなり“ストレンジ”。それに、僕の名前と顔もわりと“ストレンジ”だよね(笑)」。

この一言で、発言主が誰なのか容易に想像できるはず。一度耳にしたら忘れられない、一度目にしたら忘れられない、自称“ストレンジ”な名前と顔のベネディクト・カンバーバッチが、マーベル映画のヒーローに。その名も『ドクター・ストレンジ』は、元外科医の異色ヒーローだ。もっとも、医学界から戦いの世界への転身は、本人が望んだわけではない。ある日の事故で両手の機能を失ってしまったことが、彼の運命を大きく変える。

「いい経験も悪い経験も経て歳を重ねるのが人間だけど、ストレンジの場合はかなりドラマティック。外科医としての生命を絶たれてしまうのだからね。でも、それをきっかけに、彼の人生は大きく変わる。僕自身に彼ほどの経験はないけど、素晴らしい展開だと実感したよ。ただし、教訓を学んでほしいシーンでもあるんだ。“皆さん、電話をしながら運転するのはやめましょう”ってね。僕も気をつけるから(笑)」。

「僕自身に彼ほどの経験はない」とは言うものの、実はベネディクトの人生もかなりドラマティック。かつて、命の危機に瀕したこともあるとか。
「南アフリカでの撮影中にカージャックされたことは、みんなもう知ってるよね? あれは本当に大きな出来事。以来、人生に対する感謝の気持ちが強まったし、成長することができた。あとは、子どもの頃のことだからあまりよく覚えていないのだけど、雨の日に母が運転する車に乗っていて、危ない目に遭ったこともある。スピンして、電柱に正面から激突したんだ。幸いなことに、みんな軽症で済んだのだけど」。

「様々なことがあったけど、こうして生きて、仕事をしていられる僕は恵まれていると思う」。こう語るベネディクトとは違い、ストレンジは「人生に対する感謝」を感じるまでに少々時間がかかる。いわく、「傲慢で、天才肌で、エゴの塊」だからだ。それらの気質は、ベネディクトが「SHERLOCK/シャーロック」で演じてきたシャーロック・ホームズの持つ気質とも重なる。「その質問を僕が警戒するのは、似た役ばかりを演じていると思われたくないから。自分には演技の幅があって、いろいろな役をこなしてきていると思いたいし、思ってもらいたい」と前置きしながらも、冷静な分析を聞かせてくれた。

「確かに、ストレンジとシャーロックの共通点は多いと思う。ただし、圧倒的に違うのは名声に対するスタンスだね。シャーロックは名声に興味がないけど、ストレンジは名声を求めている。それに、ストレンジは孤高であるとはいえ、いまの世の中に適応している物質主義的な男。その点、シャーロックは社会性に欠けるんだ。どちらも魅力的だけどね。秀でた才能を持つ象徴的な役柄を演じられるのは、役者にとってはとても光栄なことだよ」。

ちなみに、ストレンジとベネディクト自身の共通点はと言うと、「音楽が日常に欠かせないところ」。お気に入りの曲をバックに幾多の手術を成功させてきた外科医時代のストレンジのように、ベネディクトも「音楽によって集中力を高める」のだそうだ。

「フィリップ・グラスが手掛けた『めぐりあう時間たち』のサントラはかなりのお気に入り。『I'm Going to Make a Cake/ケーキを作りましょう』を聴きながら、集中するんだ(笑)。ドレイク、レディオヘッド、エルボーもヘビーローテーションで聴いている。あと、BBCラジオは世界一の放送局だと思っていて、そこでお気に入りの曲に出会うことも多い。音楽は演技の助けになるし、エネルギーになるし、インスピレーションを与えてくれる。音楽だけでなく、演劇も、詩も、絵画も、アートが常に自分の糧となるんだ」。

傲慢で、エゴが強く、けれどもどこかキュートで、音楽をこよなく愛する面すら愛おしいドクター・ストレンジは、マーベル映画の中でも1、2を争う魅力的なキャラクター。やがてストレンジは時空を超えた力を身につけていくが、俳優の道を歩み始めた頃の自分は、未来の自分がマーベル映画のヒーローになると知ったら何と言う? 最後にこう訊ねると、これまたチャーミングな答えが返ってきた。

「僕はキャリアプランを考えながら俳優をやってきたわけじゃないし、最初の半年は仕事すらもらえなかった。仕事が入り始めてからも、好きなことをしてお金がもらえるだけで嬉しいという気持ちでいたしね。だから、もちろん何年か後に自分が世界中で愛される大作シリーズのヒーローになれるなんて想像もしていなかった。本当にラッキーだと思うよ。キャリアというものは、“あの作品があったから、この作品がある”なんて後から考えてみたとしても、それが本当に正しいかは誰にも断言できない。ただ、1つ言えるのは、僕はどんなチャンスも逃さないよう心掛けてきた。だから、今後もあまり考え過ぎず、チャンスが来たらそれをつかむ。けれど、そうだね…。僕が俳優を始めた頃はもちろんマーベル・シネマティック・ユニバースなんてものはなかったから、その頃の僕はこう言うだろうね。『えっ? マーベルがそんなにたくさんの映画を作るようになったの? 僕がその主役になるって? いや、ありえないよ』」。
《渡邉ひかる》

映画&海外ドラマライター 渡邉ひかる

ビデオ業界誌編集を経て、フリーランスの映画&海外ドラマライターに。映画誌、ファッション誌、テレビ誌などで執筆中。毎日が映画&海外ドラマ漬け。人見知りなのにインタビュー好き。

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