【インタビュー】『リメンバー・ミー』リー・アンクリッチ監督 アニメーションは言葉を超えて感動を伝える

カリフォルニア・エメリーヴィルにあるピクサー・アニメーション・スタジオにて、3月16日公開のピクサー最新作『リメンバー・ミー』のリー・アンクリッチ監督&プロデューサー ダーラ・K・アンダーソンにインタビュー。

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リー・アンクリッチ(監督)&ダーラ・K・アンダーソン(プロデューサー)インタビュー『リメンバー・ミー』/協力:ウォルト・ディズニー・ジャパン
  • リー・アンクリッチ(監督)&ダーラ・K・アンダーソン(プロデューサー)インタビュー『リメンバー・ミー』/協力:ウォルト・ディズニー・ジャパン
  • リー・アンクリッチ(監督)インタビュー『リメンバー・ミー』/協力:ウォルト・ディズニー・ジャパン
  • ダーラ・K・アンダーソン(プロデューサー)インタビュー『リメンバー・ミー』/協力:ウォルト・ディズニー・ジャパン
  • 『リメンバー・ミー』 (C)2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
  • ダーラ・K・アンダーソン(プロデューサー)インタビュー『リメンバー・ミー』/協力:ウォルト・ディズニー・ジャパン
  • 『リメンバー・ミー』(C)2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
  • リー・アンクリッチ(監督)&ダーラ・K・アンダーソン(プロデューサー)インタビュー『リメンバー・ミー』/協力:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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3月16日(金)公開のピクサー最新作『リメンバー・ミー』で監督を務めたリー・アンクリッチと、プロデューサーのダーラ・K・アンダーソンにインタビュー。

メキシコの死者の国を舞台に描いたピクサー初の音楽をテーマにした物語。先日の第90回アカデミー賞では最優秀アニメーション賞、歌曲賞を受賞。全世界を感動の渦に巻き込んだ『トイ・ストーリー3』の監督&プロデューサーコンビでもある2人に、本作の見どころや製作の裏ばなしを尋ねるべく、カリフォルニア・エメリーヴィルにあるピクサー・アニメーション・スタジオで現地インタビュー。

メキシコの死者の日の文化から「家族愛」描く


「家族のつながり」という普遍的なテーマを扱った本作。物語の舞台となったメキシコでは、映画が世界最速で公開されると国内歴代No.1の興行成績を記録し大ヒットを収めた。それではなぜ舞台を「死者の日」にしたのか。

リー・アンクリッチ(監督)&ダーラ・K・アンダーソン(プロデューサー)インタビュー『リメンバー・ミー』/協力:ウォルト・ディズニー・ジャパン
LU:元々、僕がこの映画を作りたかったのは「死者の日」というメキシコの伝統に長い間興味を持っていたからなんだ。そこには、とてもエンターテインニングで、カラフルで、音楽的なストーリーを語る可能性があると思った。でも、その祝日についてリサーチを始め、それについてもっと学ぶにつれて、家族がその伝統にとってどれほど重要かということがわかってきた。そして、僕たちが語るストーリーの中心となるテーマを、家族にできるということに気づいたんだ。

LU:僕たちがここ(ピクサー)で映画を作るときはしょっちゅう、ストーリーが監督たちにとってとても個人的なところから来るものだ。でも今作については、ストーリーは、僕自身の人生からではなく、この美しいメキシコの伝統から生まれたんだ。でも、映画作りの過程の中で、僕たちみんなが自分たちの家族や、自分たちの経験について話し合った。そして、それらのアイディアの多くは、僕たちが語ったストーリーの中に最終的に残ることになったんだ。

劇中歌「リメンバー・ミー」が頭から離れない?


LU:ロペス夫妻(ロバート・ロペスとクリステン・アンダーソン=ロペス)が書く全ての歌が「イヤーワーム」(earworms)なんだ。頭に入って、それを頭から追い出せない歌なんだよ。「リメンバー・ミー」もそうなんだ。

リー・アンクリッチ(監督)&ダーラ・K・アンダーソン(プロデューサー)インタビュー『リメンバー・ミー』/協力:ウォルト・ディズニー・ジャパン
DA:それを歌うのを止められないの。何度も何度もね(笑)。私たちは、「リメンバー・ミー」を聞いた瞬間から、すごく気に入ったわ。それは多分、軽く4年以上前のことよ。そして、私たちはそれを何度も聞いたの。いまもあの曲が大好きよ。それは、彼らの才能の証しだわ。

いまから4年前、『アナと雪の女王』の楽曲も手がけたロペス夫妻が作り上げたのが、本作『coco』(原題)の日本語タイトルにもなっている「リメンバー・ミー」。3月4日(現地時間)ドルビー・シアターで開催された第90回アカデミー賞では他の強豪ノミネーション作品を押しのけ、歌曲賞を受賞。『リメンバー・ミー』の音楽たちは、いまでは全世界の人々を魅了している。

LU:彼らは、最終的に映画に入れられなかった他の歌も書いた。そして同じように、それらの曲は全て、僕の気を狂わせたよ。

DA:(笑)

LU:それらは僕の頭の中に入り込んで、追い出せないんだ。それから、映画の他の歌のほとんどは、共同監督のエイドリアン・モリーナと、ジャーメイン・フランコが書いた。彼が歌詞を書いて、彼女が作曲したんだ。彼女も、キャッチーなメロディーを書くのが、同じくらい上手いと思う。なぜなら、「ウン・ポコ・ロコ」も僕の頭から離れないからね。本当に全ての歌がね。「哀しきジョローナ」という、イメルダが映画の中で歌うスペイン語の歌でさえね。あれは伝統的な歌なんだ。でも、あの歌にも、どこか頭から離れないところがあるんだよ。

リアルな映像作りのヒントは「GoProカメラ」!?


ピクサーはこれまでも『ファインディング・ドリー』『カーズ』などで示してきたように、「これがアニメーションなの!?」と目を疑うほどリアルな映像を手がけてきた。本作でもその才能は遺憾なく発揮されており、特に主人公・ミゲルが劇中初めてギターを手に取るシーンでは、ギターそのものはもちろん、フレッドや弦、指引きで弾く弦のふるえまでもアニメ―ションでリアルに再現している。

『リメンバー・ミー』 (C)2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.『リメンバー・ミー』(C) 2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
LU:僕は「これはアニメーションだから何でも好きなことが出来る」と思った。それで、これを正確なものにしよう、と思ったんだ。映画のための全てのいろんな音楽を録音したとき、キャラクターが音楽を演奏するときにはいつも、複数のカメラでそれを撮影した。“GoProカメラ”をギターの首のところにくくりつけて、演奏のディテールを捉えられるようにした。それからアニメーターたちがアニメーティングしているとき、その映像を参照して、正しいものにできるようにしたんだ。

リー・アンクリッチ(監督)インタビュー『リメンバー・ミー』/協力:ウォルト・ディズニー・ジャパン
LU:また、ギターをどのように演奏するかとてもよく知っているアニメーターたちに、出来るだけたくさんのショットをやらせるようにした。演奏のちょっとした細かいところを全て理解出来るようにね。映画を観るほとんどの人々は、それに気づかないだろうし、その良さがわからないと思う。でも、彼らはそれを感じることが出来る。それは、ミゲルが本当にギターを演奏出来るということに信憑性を持たせるということだ。でも、映画を観たミュージシャンたちはとても興奮したよ。なぜなら、彼らは、それがまさに正しいことがわかるからだ。

インタビュー中、アンクリッチ監督の「信憑性を持たせる」という言葉がすごく印象的に響いた。当たり前のことだが、アニメーションはファンタジーでありフィクションである。だから一瞬でもその夢が醒めてしまったら、ストーリーが進んでいっても「置いてけぼり」をくらってしまう。ストーリーの中に自分を置くことができないのだ。しかし、細部にまでこだわったリアルな映像や血の通ったキャラクターによって、その醒める隙を与えることなく、観客をストーリーに引き込んでいく。その観客を引き込む力をピクサーのスタッフは多角的に構築していくのだ。

言葉で語らずに「見せる」こと


『トイ・ストーリー3』で、焼却炉を目の前にしたおもちゃたちが、もはやなす術もなく手を繋いで死を覚悟するシーンなどがあったが、アンクリッチ監督&アンダーソン氏はそのような“緊迫感”や“危険性”は言葉で語らずに、映像で見せることを大切にしているという。

『リメンバー・ミー』(C)2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.『リメンバー・ミー』(C)2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
本作で主人公・ミゲルは「死者の日」に死者の国へと迷い込んでしまい、日の出までに出られなければ死者になってしまう。日の出までのタイムリミットが迫る中、じわりじわりと死の気配を漂わせるために、監督は「肉体が透けて骨だけになってしまう」という手法で観客に緊迫感を与えていく。まるで宮崎駿監督作『千と千尋の神隠し』で千(千尋)の体が消えてくように。アンクリッチ監督は「『千と千尋の神隠し』には間違いなく影響を受けたよ」と前置きしつつ、本作にとって必要不可欠な見せ方であったと語る。

リー・アンクリッチ(監督)&ダーラ・K・アンダーソン(プロデューサー)インタビュー『リメンバー・ミー』/協力:ウォルト・ディズニー・ジャパン
LU:聞いてくれ。『千と千尋の神隠し』には間違いなく影響を受けたよ。僕たちは宮崎駿の映画が大好きで、僕は特に『千と千尋の神隠し』が大好きなんだ。僕は、あの映画のことを特に考えていたわけではなかったと思う。僕たちにはただ危険性が必要だった。ミゲルが危険な状態にあるということを見せたかったんだ。時間の制限があるということをね。彼は、死者の国でやるべきことをやって、逃げ出さないといけなかった。

DA:それが感じられないといけないの。直感に訴えられるものにしたかったの。

LU:もし彼がそこに長くいすぎたら、なにか危険なことが起きると感じて欲しいんだ。だから、僕たちにとって、それは彼が消えていなくなってしまう、ということじゃなかった。『千と千尋の神隠し』で彼女がそうなるようにね。それはもっと、彼が骸骨になって行くということだった。彼の体やスピリットが徐々に消えていって、中にある骸骨が見えて来るんだ。そういうことだったよ。そして、僕たちはそれをあまりに気持ちを動揺させないやり方でやろうとした。

『リメンバー・ミー』 (C)2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.『リメンバー・ミー』(C) 2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
LU:最終的には、僕たちが危険性を感じるのは重要だと思った。それに、それは前にも映画に出てきたことがあるアイディアだ。『千と千尋の神隠し』にもある。『バック・トウ・ザ・フューチャー』にもそういうのがある。時間が差し迫って来るというアイディアはね。誰かが必要なことを達成しないといけないんだ。さもなければ、予期しない問題が起きる。そういうところから生まれてきた。そして、それはクールだろうなと思った。もし小さな子どもが、子どもについての映画を観ていたら、僕だったら「ワオ、彼は骸骨になるんだ」と、クールに感じると思う。僕はそういうのを特に前に観たことがなかった。だから僕たちはそれをやったんだ。

リー・アンクリッチ(監督)&ダーラ・K・アンダーソン(プロデューサー)インタビュー『リメンバー・ミー』/協力:ウォルト・ディズニー・ジャパン
DA:私たちはしょっちゅう「見せて。(言葉で)語らないで」と言うの。もしとても差し迫っていることを視覚的に見せることが出来れば、その方がもっと(インパクトが)強くなるの。

協力:ウォルト・ディズニー・ジャパン
《text:cinemacafe.net》

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