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ファン・ジョンミン&ソン・ガンホら韓国映画のプライドと気概を支える名優たち

ファン・ジョンミン、ソン・ガンホ、チョ・ジヌン、韓国映画界を牽引し、カリスマ性に溢れた存在感を放ち続ける名優たちに注目した。

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『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』(C)2018 CJ ENM CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED
『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』(C)2018 CJ ENM CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED
  • 『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』(C)2018 CJ ENM CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED
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  • 『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』 (C)2018 CJ ENM CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED
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  • 『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』 (C)2018 CJ ENM CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED
  • 『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』 (C)2018 CJ ENM CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED
『神と共に』2部作の興奮も収まらぬ中、韓国映画ファンを中心に注目を集めているのが、北朝鮮に潜入する実在の韓国工作員を描いた『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』だ。ド派手な銃撃戦も、カーチェイスもない“スパイ映画”ではあるものの、“バレたら全てが終わる”極限の心理ドラマでファン・ジョンミンをはじめとする人気俳優たちが熱演を繰り広げる。

また、韓国映画に初めてのカンヌ国際映画祭最高賞パルム・ドールをもたらしたポン・ジュノ監督×ソン・ガンホ主演『パラサイト 半地下の家族』の公開が、2020年1月に決まった。こうした話題作で映画界を牽引し、カリスマ性に溢れた存在感を放ち続ける名優たちに注目した。


ファン・ジョンミン作品に外れなし!
『工作 黒金星と呼ばれた男』


『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』(C) 2018 CJ ENM CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED
日本でも大きな話題を呼んだ『タクシー運転手~約束は海を越えて~』『1987、ある闘いの真実』に続く実話を基にしたフィクション。1990年代、北側に何年も潜入し、当時の最高権力者・金正日に最も近づいたといわれる実在のスパイで、“黒金星”というコードネームを持つ男パク・ソギョンをファン・ジョンミンが演じている。

『哭声/コクソン』『ベテラン』『アシュラ』など多くのヒット作で知られ、その圧倒的演技力と気さくな人柄で日本でも大人気のジョンミン。昨年11月に「第4回大阪韓国映画祭」で来日した際にも熱狂を持って迎えられていた。

『アシュラ』 (C)2016 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved『アシュラ』でのファン・ジョンミン
今回、彼が演じた“黒金星”は北朝鮮の核開発について探るため、ケチな実業家になりすまし、外貨を獲得したい北の対外交渉責任者(イ・ソンミン)に近づいていく工作員。『国際市場で逢いましょう』では家族思いの純朴で熱い男、『アシュラ』では冷酷で邪悪な市長という正反対のキャラクターを演じ分けたジョンミンだけに、どこまでも調子のいい実業家を“演じる”スパイの姿は本当の素顔が分からなくなってしまうほど。

特に、北側の国家安全保衛部員チョン・ムテク(チュ・ジフン)が自白剤を盛って(!)ソギョンの素性を吐かせようとするシーン、さらに金正日(そっくり!)とついに面会シーンを果たすシーンでの、手に汗MAXの緊張感は彼らの演技合戦があればこそ。

『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』 (C)2018 CJ ENM CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED
また、『神と共に』シリーズの冥界の使者役で人気がさらに拡大したチュ・ジフンは、『アシュラ』ではジョンミン演じる悪徳市長に頭が上がらなかったが、本作では立場が逆転したかのよう。終始、冷ややかな疑いの眼差しをソギョンに向けていく。

『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』 (C)2018 CJ ENM CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED
北朝鮮の対外経済委員会リ・ミョンウン所長を演じたイ・ソンミンは、東野圭吾原作の『さまよう刃』など数多くの作品に出演する名バイプレイヤーで、主演作『目撃者』がスマッシュヒット。本作でも絶賛されており、薄氷を踏むような経験をともに乗り越えてきたことから深まる、ソギョンとの立場を超えた友情も見どころだ。

『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』(C)2018 CJ ENM CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED

チョ・ジヌンの進化に中毒者が続出!
『毒戦 BELIEVER』


『毒戦 BELIEVER』(c)2018 CINEGURU KIDARIENT & YONG FILM. All Rights Reserved. 
『工作』で韓国側の国家安全企画部(現在の国家情報院)室長としてスパイ作戦の総責任者を演じているのが、チョ・ジヌン。日本でもリメイクされたドラマ「シグナル」の熱血刑事、映画『最後まで行く』の不気味な不死身男、『お嬢さん』のエロ親父など、幅広い役柄でバイプレイヤーとして名を馳せてきたが、韓国で『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『デッドプール2』を押さえて初登場1位を記録した『毒戦 BELIEVER』(10月4日公開)で主演を果たす。

『お嬢さん』(C) 2016 CJ E&M CORPORATION, MOHO FILM, YONG FILM ALL RIGHTS RESERVED『お嬢さん』のチョ・ジヌン(左上)
一時は体重120キロ超もあったが、約30キロのダイエットに成功してルックスが劇変したジヌン。傑作ノワール『新しき世界』(ファン・ジョンミンをトップ俳優に押し上げた)を超えて観客動員数500万人を突破した本作では、麻薬組織への潜入捜査で次第に狂気を増していく麻薬取締官ウォノを好演。いまや主演作が相次ぐ存在となっている。

『毒戦 BELIEVER』(c)2018 CINEGURU KIDARIENT & YONG FILM. All Rights Reserved. 
そんな彼が演じるウォノ刑事と大胆かつ、危険極まりない潜入捜査に挑むのは、『タクシー運転手~約束は海を越えて~』『リトル・フォレスト 春夏秋冬』などで注目を集め、ドラマ「恋のスケッチ~応答せよ1988~」でもファン層を広げたリュ・ジュンヨル。本作では終始感情を押し殺し、麻薬組織から見捨てられた青年ラクを演じる。是枝裕和監督の大ファンを公言しており、是枝監督も起用してみたい韓国俳優にマ・ドンソクと並んで彼の名を上げているという逸材だ。

『毒戦 BELIEVER』(c)2018 CINEGURU KIDARIENT & YONG FILM. All Rights Reserved. 
そのほか、組織の謎の人物で残虐なクリスチャンを演じたチャ・スンウォン(『ハイヒールの男』)や、狡猾なドラッグディーラーを演じたパク・ヘジュン(「ミセン -未生-」)、闇マーケットを牛耳るボスを演じ、本作が遺作となったキム・ジュヒョク(『コンフィデンシャル/共助』)といった濃いにもほどがあるクセ者俳優たちがぶつかり合う点でも見逃せない。

『毒戦 BELIEVER』(c)2018 CINEGURU KIDARIENT & YONG FILM. All Rights Reserved. 

ソン・ガンホ、“半地下”からセレブに寄生?
『パラサイト』


『パラサイト 半地下の家族』 (C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
日本で最も知名度と人気のある韓国俳優として、ソン・ガンホを一番に挙げる人も多いだろう。韓国映画の底力を日本に知らしめた1作でもある『JSA』や、実際の歴史的冤罪事件を描いた『弁護人』など、代表作は数え切れない。『タクシー運転手~約束は海を越えて~』では「光州事件」の渦中に巻き込まれながら、ひとりの父親として、人間として、なすべきことをした市井のタクシー運転手役も記憶に新しい。

『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』 (C) 2017 SHOWBOX AND THE LAMP. ALL RIGHTS RESERVED.『タクシー運転手』のソン・ガンホ
そんな彼が、ポン・ジュノ監督と『殺人の追憶』『グエムル -漢江の怪物-』『スノーピアサー』に続いて4度目のタッグを組んだのが、パルム・ドール受賞のブラックコメディ『パラサイト 半地下の家族』。全員失業中で、“半地下”住宅でその日暮らしの生活を送るキム一家の長男が、ひょんなことからIT企業を経営する裕福な一家の家庭教師になったことから、想像を絶する悲喜劇が展開していく。

『パラサイト 半地下の家族』ポン・ジュノ監督 (C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
韓国都市部の“半地下”住宅は日当たりも悪く、薄暗くてジメッとしており、大邸宅や超高層マンションの対極にある、いわば“貧困”の象徴ともいえるもの。日本で例えるなら、『万引き家族』でポツンと取り残された初枝さんの平屋のようなものだ。

『母なる証明』(’09)以来、10年振りに韓国を舞台にしたジュノ監督は、信頼の置けるガンホを主演にして格差社会を独特の切り口で、なおかつ見応えあるエンターテイメントとして描いているらしく、すでに世界各国で絶賛を受け大ヒットとなっている。その中で飄々とした父親を演じる(でも絶対に裏の顔がある!?)ガンホにも、ぜひ注目してほしい。

共演には『最後まで行く』のイ・ソンギュン、『後宮の秘密』のチョ・ヨジョン、『オクジャ/okja』『新感染 ファイナル・エクスプレス』のチェ・ウシクなど、各世代の実力派も顔を揃える。

『パラサイト 半地下の家族』 (C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
このほかにも、『神と共に』のハ・ジョンウ、マーベル『Eternals』(原題)にも起用され大ブレイク中のマ・ドンソクら、その名があるだけで心躍る俳優たちの作品が続々と公開されている。チョン・ジェヨン&キム・ナムギルら共演の『感染家族』(公開中)はSNSで大絶賛を受けており、人気俳優ヒョンビンが悪役に初挑戦した『ザ・ネゴシエーション』(8月30日公開)、韓国歴代興収NO.1の記録を作った『エクストリーム・ジョブ』(2020年1月3日公開)なども見逃せない。

彼らのみならず、若手注目株たちが選ぶ映画は、エンターテイメント性に富みながらも歴史や社会の暗部と真摯に向き合ったものばかり。韓国映画の気概を感じさせる作品を、彼らの熱演を通じてぜひ覗いてみてほしい。

『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』 (C)2018 CJ ENM CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED
《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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