※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

【インタビュー】豊原功補「いまやらなきゃ、時間がない」――日本映画の“景色”を変えるための覚悟<前編>

「もっと“嫌われる勇気”を持ってやっていかないといけないなと思ってます」――。豊原功補はそう言って笑みを浮かべる。

最新ニュース インタビュー
注目記事
豊原功補『ソワレ』インタビュー前編/photo:Naoki Kurozu
豊原功補『ソワレ』インタビュー前編/photo:Naoki Kurozu
  • 豊原功補『ソワレ』インタビュー前編/photo:Naoki Kurozu
  • 豊原功補『ソワレ』インタビュー前編/photo:Naoki Kurozu
  • 豊原功補『ソワレ』インタビュー前編/photo:Naoki Kurozu
  • 『ソワレ』 (C)2020ソワレフィルムパートナーズ
「もっと“嫌われる勇気”を持ってやっていかないといけないなと思ってます」――。豊原功補はそう言って笑みを浮かべる。

ここ1年半ほど、何かと芸能界を騒がせている“渦中の人”である。ひとつ何かアクションを起こすたびに――それが純粋に映画や舞台の作品に関することであっても――よくわからない「関係者」のコメントや憶測を伴ったいわゆる“芸能ニュース”として世に拡散されていく。

そんなウンザリするような状況にあっても、豊原功補は歩みを止めない。日本の映画界、エンターテインメントの世界を変えるために何ができるか? 自らの“志”を実現すべく、何が必要かを考え続け、行動し続ける。

『ソワレ』 (C)2020ソワレフィルムパートナーズ
現在、和歌山を舞台にした映画で村上虹郎、芋生悠(いもうはるか)をW主演に据えた『ソワレ』の制作にプロデューサーという立場で携わっており、クラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」にて、本作を支援してくれるサポーターを一般から募集している。

そして、本作の制作にあたり、小泉今日子と共に新たに映像プロダクション「新世界合同会社」を設立。「より純度の高い映像作品を追求」(HPより)を目指し、具体的には特定の女優・俳優ありきではなく、作品に最適のキャスティング、コンプライアンスにとらわれ過ぎない自由な映画作りなどを掲げている。

俳優としての十分に安定した地位を捨ててまで、多くの“敵”を作りながら、彼は何を変えようとしているのか? どうしたら日本のエンターテイメントのクオリティを上げることができるのか? たっぷりと話を聞いた。

作品に携わった経緯「目の前のチャンスを放っておく余裕がない」


まずそもそも、なぜ豊原さんと小泉さんが和歌山を舞台に制作される『ソワレ』に関わることになったのか?

「きっかけは本当にシンプルです。和歌山を舞台に映画(『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。』、『ちょき』など)を作ってきた前田和紀と『わさび』や『春なれや』といった短編映画を作ってきた外山文治監督が新たな映画を和歌山でつくることを考えていて、偶然なんですがウチのスタッフが外山監督と知り合いで、顔を合わせる機会があったんです。それから少しして『一緒にやってもらえませんか?』とお話をいただきまして」。

「当時はまだ『新世界合同会社』も存在していませんでした。舞台制作に関しては別の会社(※小泉さんが立ち上げた『株式会社明後日』)でやってましたが、そろそろ映像作品も手掛けてみたいとか、いろんな思いがあった中でちょうどお話をいただいて、これもひとつのきっかけなのかなと、いっそ組織を作って映像制作会社をやってみようとなりました」。

豊原功補『ソワレ』インタビュー前編/photo:Naoki Kurozu
「いっそ組織を作って」とさらりと言うが「豊原功補と小泉今日子が映像制作会社をつくる」となると、世間は様々な受け止め方をする。もちろん、Makuakeで支援を募るにあたって、話題を呼ぶという点でポジティブに捉えることもできるが、会社という組織を作って、これまでの映画作りの常識を変えると宣言することは、相当な覚悟が要ったはずだ。

「会社を作るということに限らず、何か一歩踏み出そうとすれば、いろんなネガティブなことが頭をよぎりますし、障害が目に見えたりする部分はあります。逆に後押しをいただける部分もあります。ただ、総じて鈍感になっていくといいますか(笑)、目的以外のことはどうでもよくなってくるんですよね」。

「あとね、乱暴な言い方ですけど、自分の人生の残りの時間を考えた時に、目の前のチャンスを放っておく余裕がないんです。いまやらなきゃ、本当にやる時間がない。結局、何をやってもプラスとマイナスの側面はついて回るものだし、人間はどうしても自分の経験の中から『あんなことになったらどうしよう?』『こんなこと言われるんじゃないか?』って過去の嫌な思い出に自分を縛り付けちゃうんですよね。でも、実際にそうなるとは限らないし、映画なんて作ってみなくちゃわかんないですから。ネガティブな感情がつい付きまとうけど、それを上回るポジティブな思いを抱いてからこそ、踏み出せたのかなと思いますね」
《text / photo:Naoki Kurozu》

関連記事

特集

【注目の記事】[PR]

特集

page top