2020年公開予定の映画作品の中でシネマカフェライターが選ぶ期待作をご紹介します!
黒豆直樹:『The Gentlemen』(原題)
ここ数年、良くも悪くもいろんなところを旋回しているガイ・リッチーが、原案・脚本・製作・監督を務めており『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』、『スナッチ』の匂いを感じさせてくれる期待作。マシュー・マコノヒー、ヒュー・グラント、コリン・ファレルという豪華オジサマたち競演!
赤山恭子:『初恋』
2020年前期、NHK連続テレビ小説「エール」で主人公に抜擢された窪田正孝さんの、テレビでは確実に拝めないであろう、血しぶきが飛び散るバイオレンス映画!なのに、タイトルは『初恋』!!痺れる、ワー!『DEAD OR ALIVE』時代を彷彿とさせるノワールな三池崇史監督に、『孤狼の血』で企画プロデュースを担当した紀伊宗之さんが組んだとあって、容赦ない東映節が炸裂すること間違いなし。第72回カンヌ国際映画祭や、先行公開されたアメリカでの評判も上々だったそうで、胸騒ぎが抑えられない…いや、抑える必要もないか!早く公開してください!
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上原礼子:『フェアウェル』
A24とオークワフィナが組んだら最強説、あると思います。しかも、おばあちゃんものです。『クレイジー・リッチ!』では御曹司の結婚式で一族が勢揃いしましたが、今作では末期がんのおばあちゃんのために、従兄弟の結婚式という名目でNYで暮らす移民2世の女性が初めて中国に帰ります。『オーシャンズ8』『クレイジー・リッチ!』で“親友にしたい女優“となり、『ジュマンジ/ネクスト・レベル』でも大活躍の彼女が初めて見せるだろうアイデンティティーの揺らぎの演技、日本人も共感必至となるだろう家族観や死生観に、いまから涙腺が危険。
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足立美由紀:『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
カナダのイケメン俳優にして、新鋭監督グザヴィエ・ドラン。あまりなじみがなくても、大ヒット作『IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』の冒頭で襲われたゲイカップルの悲惨な方と言えば思い当たる人もいるかも。実際にもゲイであることを公表している彼は、母親への複雑な想いや同性愛者の苦悩を作品で描き、高く評価されている。そんな美しき天才が、ハリウッドの豪華キャストを起用して初めての英語での製作に挑戦した本作。8歳のドランがレオナルド・ディカプリオに宛てた手紙から生まれた物語というのもそそられる!
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冨永由紀:『レ・ミゼラブル』
第72回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した本作は、ヴィクトル・ユーゴーの小説「レ・ミゼラブル」で知られるパリ郊外のモンフェルメイユが舞台。現在は多くの移民や低所得層が暮らし、犯罪多発地区である同地に生まれ育ったラジ・リ監督はドキュメンタリー制作で培った手法で、住民の若者たちと警察の緊張を描き出す。ユゴーの時代だった19世紀と21世紀と、時を隔ててた現在のレ・ミゼラブル(悲惨に生きる人々)が体現するリアルなフランスの“今”は、世界の“今”でもある。
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磯部正和:『星屑の町』
2014年の『海月姫』以来の劇場公開実写映画出演となるのん。東北の田舎町を舞台に歌手を目指すという役柄。「あまちゃん」ばりの方言や、精力的に行うライブ活動で魅せる歌声にも注目が集まる。
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鴇田崇:『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
娯楽活劇たる007映画を、徳の高い上質なシリーズにある意味で“してしまった”前監督の後、キャリー・フクナガ監督がどう独自性を出していくのか、もしくは出さないのか、冒頭1秒から見ものの25作目。ジャマイカで隠居しているとか、新旧どっちのファンも意識せざるを得ない筋運びではあるものの、豪華キャスト陣の好演で最高の作品に仕上がることを期待!
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明美・神津トスト:『リチャード・ジュエル』
クリント・イーストウッド監督作品が持つそつのなさと静かな力強さが好きだ。本作を通して、情報漏洩が引き起こす悲惨な顛末とマスコミの放つ伝染ウイルスにも似た恐ろしいパワーを見せつけられて背筋が寒くなった。近年のSNSも含めて、強力なものを扱うときは責任感を持って接しないと大変なことになるという警鐘をならしており、本作をきっかけに見つめ直さなければいけないテーマだ。主演ポール・ウォルター・ハウザーと彼の母親を演じたキャシー・ベイツの名演はアカデミー賞候補に値する。
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渡邉ひかる:『1917 命をかけた伝令』
“サム・メンデスの『ダンケルク』(←2017年のマイベスト映画)”と勝手に呼びながら待ち焦がれている超期待作。主人公の若手2人から脇を固める素敵な方々まで、キャストが英国俳優の宝石箱状態である上に、ロジャー・ディーキンスによる映像がものすごいことになっているらしい。若手俳優その1と若手俳優その2が素敵俳優その1から託された重要な伝令を届けるために戦火を駆け抜ける中、素敵俳優その2に出会い、素敵俳優その3に出会い、素敵俳優その4のもとを目指す…というストーリー展開にもそそられる。楽しみ過ぎて、吐きそう。
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編集部:『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
何もかもが尊すぎて公開が待ちきれない…『レディー・バード』のグレタ・ガーウィグが描くルイザ・メイ・オルコットの自伝的小説「若草物語」。彼女が映し出すティモシー・シャラメとシアーシャ・ローナンの尊さたるや(地球に存在してくれてありがとう)。さらに、マーチ家の4姉妹メグ役をエマ・ワトソン、ベス役をエリザ・スカンレン、エイミー役を編集部の推し女優、フローレンス・ピューが演じる。もうこれは観ながら呼吸ができるか分からない。とりあえず、ウィノナ・ライダー版『若草物語』を観て予習するとしよう。
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