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小林聡美&松重豊らに引き込まれる…『ツユクサ』は小さな奇跡から始まる大人たちの再生物語

『ツユクサ』は“隕石にぶつかる”という、まさかの“奇跡”に出会った小林聡美演じる主人公をはじめ、松重豊、平岩紙、江口のりこらが人生の曲がり角に立つ大人たちを演じる大人のおとぎ話

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『ツユクサ』(C)2022「ツユクサ」製作委員会
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小林聡美主演で、またユル~くて温かい世界観の映画が始まるのか思いきや、それだけではなかった。

“隕石にぶつかる”という、まさかの“奇跡”に出会った小林さんが演じる主人公をはじめ、松重豊平岩紙、江口のりこらが演じるキャラクターは誰もが人生の曲がり角に立ち、挫折や痛みを抱えながら、それでも1日1日を大切に生きようとしている大人たち。

彼らが織りなす大人のおとぎ話『ツユクサ』には、ひと足先に鑑賞した観客もほんの少しの勇気をもらい、背中を押されているようだ。


東京の喧騒から離れた町で起こった小さな奇跡の出会い


母娘の愛憎を描いた下田治美原作の『愛を乞う人』(98)や、桐野夏生原作のベストセラー・ミステリー『OUT』(02)、立場の異なる女性たちの友情を描いた角田光代原作の『対岸の彼女』(06)などで、女性たちの様々な人間模様を描いてきた平山秀幸監督が、安倍照雄によるオリジナルストーリーを映画化した本作。

物語は、東京の喧騒から離れた小さな港町でひとり暮らしをしている五十嵐芙美(小林聡美)が、ある日の運転中に空から降ってきた隕石にぶつかる、というありえない出来事に遭遇することから始まる。地上にいる人が隕石にぶつかる確率は、なんと1億分の1。いわゆる宇宙オタクの、芙美の年の離れた親友・航平(斎藤汰鷹)はこの“事件”に大喜び。芙美は航平の隕石探しに駆り出される。

芙美たちが暮らすその町は、勤め先の同僚で友人の妙子(江口のりこ)によれば、“人のうわさをおかずにしてご飯をおかわりできるようなのが集まった”小さなコミュニティだ。そうは言いながらも、芙美や妙子、直子(平岩紙)のランチタイムは最近婚活中という工場長(ベンガル)の話や、妙子に突然訪れた“浮いた話”で盛り上がる。

『かもめ食堂』や『めがね』での自然体の演技が話題を呼んだ小林さんと、いまや映画・テレビ界には欠かせない存在となった江口さん、平岩さんの3人が、並んで海辺に腰かけて思い思いの手作りランチを頬張り、あるときはそれぞれの買い物に難癖をつけたりして、気の置けないおしゃべりを繰り広げるだけで癒しメーターが上昇する。彼女たちが演じる、それぞれに事情があって町にいる痛みを抱えた女性たちは、いい意味で遠慮がなく、言いたいことを言い合い、聞きたくないことは無理には聞かない友人関係だ。

そして物語が進むに連れて少しずつ明らかになっていくのが、小林さん演じる芙美が抱える壮絶な過去。芙美が一見、丁寧な暮らしを送っている(ように見える)のには訳がある。彼女がタネをこねて焼くハンバーグは、たった1つだけ…。あれほど悲しみに包まれた夕食のハンバーグは、かつて見たことのないものだ。

そんな日々の中、芙美は公園で草笛を吹く見慣れぬ男性・篠田吾郎(松重豊)と出会い、気になる存在になっていく。10代20代の頃のドキドキやトキメキとはまるで違う、ちょっぴりソワソワ、ムズムズする49歳の恋の予感。実は松重さん演じる吾郎もまた、簡単には言い出せない痛みを抱えている。「キスをすると、迷惑ですか?」そんな不器用な言葉から始まる2人の恋は、隕石衝突に匹敵する奇跡の出会い。肝心の瞬間に、前半に登場したひとり暮らし“あるある”が利いてくるのも粋だ。

今年、韓国ドラマ「39歳」でも大人の恋愛が注目を集めたが、中年女性の恋愛をスキャンダラスなものにせず、真摯に描いている点は本作の見どころの1つ。『人魚の眠る家』などの子役、斎藤汰鷹が好演する親友・航平の初恋との対比にも注目してほしい。


「心強い頼もしい配役の皆さんにクスッ」俳優陣の自然な演技で「歳を重ねるのが少しだけ楽しみに」


シネマカフェでは4月8日(金)、シネマカフェユーザーを招待した『ツユクサ』試写会を実施。上映終了後、参加者約40人に実施したアンケートでは満足度90%以上を獲得、鑑賞後は「温かい気持ちになった」という感想が最も多く、「笑えた」「元気が出た」という声が続いた。「自分と同じ年頃の友人に勧めたい まだまだ私達も幸せつかめるんだぞって」「小さな幸せを見つけて、感じて、日々過ごしていく大切さをこの映画で感じてほしい」と、人におすすめしたいというコメントも多数を占めた。

印象に残ったシーンとして上げる人が多かったのが、芙美と吾郎の恋。「ホンワカ幸せな気分になりました。大人になっても恋はするし、したっていいよね」「予想よりラブコメで驚きましたがとてもたのしくて良かったです! 西伊豆の海と山のロケーションが素敵」とのコメントや、「小林聡美さんを主軸に、心強い頼もしい配役の皆さんにもクスッと楽しませていただきました」「江口のりこさんが良いキャラでかなり好き」「小林聡美さん、松重豊さんの自然な演技に引き込まれて幸せな時間を過ごすことができました。平岩紙さん、江口のりこさんも最高」「松重さんが素敵でした!」と、キャスト陣を称える声も多く上がった。

“おとぎ話”と見せかけて、リアルな人生の苦みが散りばめられていることには、「自分の日常と照らし合わせてみる部分がありました」「どこにでもあるようで、ないようなお話。歳を重ねるのが少しだけ楽しみになりました」「大人も子どもも誰だって辛いことがあれば傷つし、臆病になったりする。出逢った奇跡とどう向き合うか。すごく元気が出る映画」と、自身を省みながらも前向きになれたという感想も続々。

そしてTwitter上には、「傷つく事に臆病になり幸せを諦めてしまいがちなオトナに、一歩踏み出す勇気をくれる物語」「行き止まりに思えた道も、別の横道に繋がっている曲がり角だった。そんな人生の2ターン目の戸惑いや喜びが心にスッと入ってくる」「日常にひょっこり表れる小さな奇跡に気づける人でありたいな…と思わせてくれる」といった声も。生きづらさを抱える大人たちも“ほんの少しだけ”幸せになれる小さなヒントが、本作には詰まっているといえそうだ。


『ツユクサ』公式サイト

<提供:東京テアトル>

《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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