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「初恋の悪魔」で新人刑事を熱演!話題作が続く佐久間由衣の魅力に迫る

坂元裕二がオリジナル脚本を手がけるドラマ「初恋の悪魔」で演じている、“一生懸命な新人刑事”でまた新たな魅力が開花するのか、俳優・佐久間由衣に注目

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佐久間由衣には、独特のオーラがある。ブレイクのきっかけとなった朝ドラや話題の韓国焼酎のCMでは爽やかで華やかなイメージを振りまいたが、それだけではない。その裏には何か秘かな、もしかしたら誰も知らない一面があるのではないか、そんな想像が膨らむような雰囲気を纏っている。

本が好きで、「好きな小説家:太宰治」とプロフィールには記している。現在放送中の坂元裕二がオリジナル脚本を手がけるドラマ「初恋の悪魔」では“一生懸命な新人刑事”・服部渚を演じているが、そもそもW主演の林遣都や仲野太賀、松岡茉優、柄本佑が集い不可解な事件を解くようになった発端の人物でもある。朗らかで真っ直ぐ、でも不器用な刑事役でまた新たな魅力が開花するのか、俳優・佐久間由衣に注目した。


「初恋の悪魔」では理不尽な目に!?
一生懸命すぎる新人刑事役


ヘマをして停職処分中の刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)のもとに、それぞれ訳ありな総務課の馬淵悠日(仲野太賀)、生活安全課の刑事・摘木星砂(松岡茉優)、会計課・小鳥琉夏(柄本佑)という実質、捜査権を持たない4人が集結。「現実に囚われていると本質が見えなくなる」“マーヤーのヴェール”を剥ぎ取る推理で難事件を解明していく、ミステリーで、コメディーで、ラブストーリーでもある物語。

「初恋の悪魔」第4話

佐久間さんが演じる新人刑事の渚は、とにかく一生懸命で真面目で、捜査熱心。防犯カメラのチェックなど地道な作業を黙々とこなすが、なかなか理不尽な目に遭っている。その真っ直ぐすぎる姿勢は刑事課ではときに邪魔者扱いされ、声を上げても課長の尾白(瀬戸カトリーヌ)にたちまち却下され、長いものには巻かれるタイプの先輩刑事・口木(味方良介)にはバカにされる。そんな渚に想いを寄せる小鳥が彼女の力になりたくて、“変わり者”4人の捜査会議を招集することになるのだ。

だが、せっかく鈴之介たちによって事件解決の糸口がもたらされても、口木に手柄を横取りされがち。当の渚は事件が無事解決すればいいようで、そのこと自体はあまり気にしていないというが、果たして、本当にそうなのだろうか? 

前髪をバッサリと切り、かつてないオン眉となった刑事・渚について、佐久間さん自身は「一生懸命な新人刑事役ですが、一生懸命の中でも、攻撃性のあるなし、向上心のあるなし、色々な形の一生懸命があると思うので、そこを丁寧に取捨選択して彼女らしさを見つけていきたい」と語っている。攻撃性はなくとも向上心はある、のが渚ということか。何より坂元作品において、彼女がこのままの形で終わることはないはず。それぞれのキャラクターへの謎が深まる今作での立ち位置が気になるところだ。


第4話あらすじ


社会のマナーやルールを守らない者が矢で射られてケガをする事件が発生。ごみの分別をしなかった者、順番の列に割り込んだ者などが次々と被害を受けた。まもなく、世界英雄協会を名乗る男から犯行声明の動画が配信される。迷惑をかける人間を排除すると宣言。今後、新たな犠牲者が出ることが予想され、渚(佐久間さん)は刑事課の捜査会議で懸命に世界英雄協会の危険性を訴えるが、他の刑事たちは取り合おうとしない。

悠日(仲野さん)の家に転がり込んでいる星砂(松岡さん)は、自分の中のもう一人の別人格の自分の存在に怯える。悠日は、そんな星砂を気遣っていた。

一方、鈴之介(林さん)は、家の中で見つかった監視カメラを、森園(安田顕)の手を借りて撤去していた。そして森園から自分は駆け出しのサスペンス小説家だと教えられる。森園が期待していたようなシリアルキラーではなかったことに落胆する鈴之介。しかしその後、森園家には妻と呼ばれる女性以外にも、多種多様の怪しげな女性が出入りする様子を何度も見かけ、鈴之介は混乱するばかり。やはり森園は謎多き人物のようだ。

世界英雄協会の犯行は続く。犯行はいつか愉快犯となり、犯行声明とともにクイズを出題。大量の数字が並んだ暗号を示し、自らのアジトを示唆するのだった。琉夏(柄本さん)は渚に頼まれて、数字クイズ解読に取り組む。しかし、犯人の特定は進まず、渚までが犠牲となり怪我をしてしまう。悠日と琉夏は、鈴之介に助けを求めるがーー。


モデルから俳優へ、雑誌に連載も


1995年3月10日生まれ、神奈川県出身。「2013 年 ViVi 専属モデルオーディション」でグランプリを受賞し、翌年、土屋太鳳や森川葵、桜田通、藤原季節、加藤諒らが出演していた映画『人狼ゲーム ビーストサイド』で役者デビュー。女性同士の恋愛を描いたドラマ「トランジットガールズ」では伊藤沙莉と共演した後、有村架純がヒロインを演じたNHK連続テレビ小説「ひよっこ」(2017)で脚光を浴びる。みね子の幼馴染であり、都会に憧れ女優を夢見る助川時子を演じ、1960年代当時に大流行していたミニスカートがお似合いだった。

その後も「明日の約束」「SUITS/スーツ」「監察医 朝顔」など話題のドラマに次々出演して、強い印象を残す。「3年A組 ―今から皆さんは、人質ですー」のスタッフが再集結した賀来賢人主演「ニッポンノワール -刑事Yの反乱」(2019)では急きょ代役として出演、「嘘なく大切に演じ切りたい」と意気込み、自由気ままな警察幹部の娘役を見事にこなした。

『劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』(2019)

実力派キャストに囲まれ、ひと筋縄ではいかない作品であっても、あえて首を突っ込んでいくようなところがあるのかもしれない。初主演映画『“隠れビッチ”やってました。』にて第32回東京国際映画祭のジェムストーン賞、ELLE シネマアワード 2019のライジングスター賞を受賞。

2020年には柄本明演出による藤原竜也、高杉真宙との4人舞台「てにあまる」で初舞台に挑み、2021年は土曜ドラマ「ひきこもり先生」、韓国ドラマのリメイク「彼女はキレイだった」、日曜劇場「最愛」に相次いで出演した。「最愛」ではパンツスーツ姿で、男性だらけの警察組織の中で軽やかに、でも、したたかに生き抜こうとする若手刑事役だった。

ELLE シネマアワード 2019にて

太宰治賞を受賞した津村記久子のデビュー小説を原作にした主演映画『君は永遠にそいつらより若い』は海外上映されるなど高い評価を集めており、2022年は吉田鋼太郎の“次女”役を演じた「おいハンサム!!」、坂口健太郎と共演したWOWOWオリジナルドラマ「ヒル」なども記憶に新しい。

その文才を買われて「VOGUE GIRL+」(コンデナスト・ジャパン/2021年2月~12月)ほか、「BARFOUT!」(ブラウンズブックス)に連載も持つ。2020年9月号より連載中の「BARFOUT!」の「鮮度はいつだって、流行に置いてけぼり」では写真とエッセイのような文章を寄せ、もう丸2年になる。また、『“隠れビッチ”やってました。』で彼氏役を演じた小関裕太との“韓ドラあるある”を盛り込んだ韓国焼酎のWebCMも好評だ。

『“隠れビッチ”やってました。』(2019)

韓ドラの世界にも違和感なくハマれる上、暗い過去を抱えたティーンエイジャーを演じてきた彼女も、捜査課の刑事を演じるまでになっている。


ドラマ「明日の約束」(2017)


井上真央が高校のスクールカウンセラーを演じ、“毒親”やDVなど現代家族の問題にも踏み込んだ今作。亡くなった幼馴染・圭吾の敵討ちとして、学校関係者を襲撃していたキーパーソン、白井香澄を演じた。いじめを苦に教室で自傷し、悲しみと復讐心を抱えたダークな役柄。第10回「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」新人賞を受賞した。


ドラマ「チア☆ダン」(2018)


広瀬すず主演映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』で描かれた、初の全米優勝を果たしたチアダンス部「JETS」に憧れたわかば(土屋太鳳)や、転校生の汐里(石井杏奈)、不登校気味の茉希(山本舞香)らとともにチアダンスを始める学級委員長・桜沢麻子を演じた。はじめは勉強優先だったはずが、わかばたちの情熱に感化されていく。ダンスには苦手意識があったそうだが、成長していく姿には注目。


映画『あの日のオルガン』(2019)


東京大空襲の戦火を逃れた「疎開保育園」の実話を描く今作では、明るく実直な保育士“よっちゃん先生”こと神田好子役に。頼もしいリーダー・戸田恵梨香のもと、大原櫻子や三浦透子、堀田真由、福地桃子ら現在大活躍中の女優たちと1,000人を超えるオーディションから保育士役に選ばれた。あることがきっかけで疎開保育園を去るが存在感を発揮し、ここでも「嘘なく心で演じきりたい」と意気込みをコメントしていたのが印象的。


映画『“隠れビッチ”やってました。』(2019)


好きでもない男性から「好き」と言われることで自尊心を何とか保ってきた“隠れビッチ”、ひろみを熱演、森山未來や村上虹郎、大後寿々花ら実力派が脇をしっかりと固め映画ファンからも注目を集めた。チヤホヤされて自信をチャージしたいだけとひろみは言うが、彼女がそうなってしまったのには理由があり、やがて幸せをつかみかけた途端に再びその“理由”が彼女を襲ってしまう。

泣いたり、笑ったり、酔っぱらってクダを巻いたり、素直になったり、それこそ韓国ドラマで流行中の“酒を飲む現代女性”を体現してみせている。


映画『君は永遠にそいつらより若い』(2020)


就活が終わり、あとは卒論を残すだけとなった気楽といえば気楽な大学4年生、ホリガイ役。演じるにあたり、自ら提案して染めたという赤髪がとても似合っており、イノギ役の奈緒とのケミストリーも素晴らしく、おそらく今後も佐久間さんを語るときには外せない代表作。

社会に出ていく直前の最後のモラトリアムであっても、日本にはびこる闇は確実にすぐ身近にあり、ホリガイは自身の問題意識を大切に抱え、適当にやり過ごすことなどできずに小さくて弱き者たちの痛みを受けとめようとする。多少不器用かもしれなくても、“適当にやり過ごすことができない”のは、それこそ佐久間さん自体の魅力でもあるのだ。

《シネマカフェ編集部》

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