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「重版出来!」『最後まで行く』ほか韓流上陸20年も日韓リメイク作品で交流続々

“韓流”の代名詞「冬のソナタ」が日本に上陸して早20年。Kコンテンツが世界的に流通する中、韓国から日本へ、日本から韓国へ、期待のリメイク作品が相次いでいる。

韓流・華流 コラム
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『俺はまだ本気出してないだけ』 Based on the original graphic novel “ORE WA MADA HONKI DASHITENAI DAKE” created by Shunju AONO © Shunju AONO, SHOGAKUKAN / Park heekwon, Park eunyeong Copyright © TVING All Right Reserved
『俺はまだ本気出してないだけ』 Based on the original graphic novel “ORE WA MADA HONKI DASHITENAI DAKE” created by Shunju AONO © Shunju AONO, SHOGAKUKAN / Park heekwon, Park eunyeong Copyright © TVING All Right Reserved
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  • Amazon Originalドラマ「星から来たあなた」
  • 「星から来たあなた」Blu-ray & DVD SET2 (c)HB ENTERTAINMENT
  • Blu-ray & DVD SET1「星から来たあなた」 (c)HB ENTERTAINMENT
  • 「六本木クラス」ポスタービジュアル (C) テレビ朝日
  • 『怪しい彼女』© 2014 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved.
  • 漫画「重版出来!」 - (C) 松田奈緒子/小学館
  • 「正しい恋の始めかた」 (C)テレビ朝日

“韓流ドラマ”の代名詞「冬のソナタ」が日本に上陸して早20年。2022年は日本の是枝裕和監督や三池崇史監督らが韓国制作陣とタッグを組み、スクリーンや配信サービスで話題を振りまいた。Kコンテンツが世界的に流通・浸透し、『新感染 ファイナル・エクスプレス』や「愛の不時着」などのハリウッドリメイクも予定されている中、韓国から日本へ、日本から韓国へ、期待のリメイク作品も相次いでいる。


韓国大ヒットドラマのリメイクは日本から


元祖“韓流俳優”ペ・ヨンジュンの「冬のソナタ」と並ぶ代表作を日本でリメイクした「ホテリアー」(07)、チャン・グンソクをスターにした「美男<イケメン>ですね」(11)から、「銭の戦争」「ミセンー未生ー」「シグナル」「ボイス」「知ってるワイフ」「彼女はキレイだった」といった数々のドラマ、『猟奇的な彼女』『私の頭の中の消しゴム』『サニー 永遠の仲間たち』『怪しい彼女』『ミッドナイト・ランナー』などの大ヒット映画も、これまで多くの韓国作品が日本でリメイクされてきた。

その一方、「花より男子-Boys Over Flowers」や「マザー~無償の愛~」「空から降る一億の星」、『ゴールデンスランバー』『リトル・フォレスト 春夏秋冬』『ジョゼと虎と魚たち』など、日本のヒットドラマやヒット映画も韓国リメイクで成功を収め、逆輸入されている。

2022年は、福士蒼汰と山本美月共演による「星から来たあなた」がAmazon Prime Videoにて独占配信された。元になったのは「サイコだけど大丈夫」のキム・スヒョンと「青い海の伝説」『猟奇的な彼女』のチョン・ジヒョンの共演で、2013年当時の最高視聴率33.2%を記録しアジア中で旋風を巻き起こした同名ドラマ。地球で400年も暮らしてきた“宇宙人”とワガママだけど憎めない“トップ女優”の恋という設定は斬新で、その原作ドラマを知らずに日本版を楽しんだ人も多かった模様。

「星から来たあなた」

また、7月期テレビ朝日系で放送された竹内涼真主演「六本木クラス」は、2020年に大ヒットした「梨泰院クラス」の漫画原作を、舞台を日本に変えて翻案した同名漫画が原作。原作者であり脚本を担当したチョ・グァンジンや演出のキム・ソンユン監督、「梨泰院クラス」の制作会社、原作漫画の版元であるカカオエンターテインメントなどが協力した日韓合同のプロジェクトとなった。

キム・ダミが演じたイソにあたる葵役は、チョ・グァンジンが平手友梨奈を「原作の葵にピッタリ」と推薦したという。ちなみに、平手さんが出演した「ドラゴン桜」の前シーズン(05)は「ドラゴン桜(勉強の神)」として2010年に韓国リメイク。平さんは「BTS」が所属する事務所の日本法人HYBE Japanの新レーベル「NAECO」に所属することが発表されており、今後活動の場が広がりそうだ。

なお、2022年を代表する韓国ドラマの1つ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」も、日本やアメリカ、中国など各国からリメイクのオファーを受けたと聯合ニュースなどで報道されている。そこで、日本でいま観られるオススメのリメイク作品や2023年に控えている注目“交流”作品を紹介しておこう。


コミック誌からウェブ漫画の編集部に!
「今日のウェブトゥーン」


黒木華の連続ドラマ初主演作で、松田奈緒子の大人気コミックをドラマ化した「重版出来!」(2016/TBS系)。脚本・野木亜紀子、演出・土井裕泰ら「逃げるは恥だが役に立つ」などのヒット作を送りだした製作陣が手がけた。

漫画「重版出来!」 - (C) 松田奈緒子/小学館

その韓国リメイクドラマ「今日のウェブトゥーン」は、舞台を“週刊コミック誌”から“ウェブトゥーン”(韓国で主流のスクロールする縦読み漫画)の編集部へ変更。柔道選手だったオン・マウムがケガで柔道をやめ、憧れのウェブトゥーン編集部に契約社員として就職。エリート新入社員の同期ク・ジュニョン(ナム・ユンス)、副編集長のソク・ジヒョン(チェ・ダニエル)や、クセ強の作家たちと関わりながら成長していく様が描かれる。

主演は「社内お見合い」で大人気となったキム・セジョンで、ウェブトゥーンに真っすぐな愛と情熱を捧ぎ、真心で物事に対処していく主人公・黒沢心にあたるオン・マウム役を好演。「恋慕」のナム・ユンスが小泉(坂口健太郎)、「私だけに見える探偵」のチェ・ダニエルが五百旗頭(オダギリジョー)にあたる役柄となる。「女神降臨」のヤオンイ、「外見至上主義」のT.Junと日本でもお馴染みの原作者がカメオ出演し、ウェブトゥーン編集部のお仕事も覗ける。

脚本はチョ・イェランとイ・ジェウンという新鋭で、放送局の報道を舞台にした「ピノキオ」のチョ・スウォン、「僕のヤバイ妻」のリメイク版を手がけたキム・ヨンファンが演出を担当。

Amazon Prime Videoにて先行配信中。


Amazon プライム ビデオ公式サイトはこちら

大ヒットウェブトゥーンが原作の
「正しい恋の始めかた」


韓国発の大人気ウェブトゥーンで、日本国内での累計閲覧数が1290万view(2022年12月6日時点)、世界での閲覧数は8億を誇る話題作「正しい恋の始めかた」が日本でドラマ化。テレビ朝日とTELASA連動のスペシャルドラマとして「おっさんずラブ」をはじめ、話題作を生み出してきた年末年始の恋愛ドラマ枠で放送される。

1日の予定は分刻み、スケジュールをきっちり守るのが好きな大学生・尾崎真心(大友花恋)が、唯一うまくいかないのが“恋愛”。一向に発展しない“恋愛ステータス”を変えるべく真心はサークルに入ることを決心する。そこで出会ったのは、ポーカーフェイスな先輩・清水瑛太(豊田裕大)と王子様系先輩・桜井優馬(本田響矢)。優馬に憧れていた真心だったが、瑛太との距離も縮まり始めていく。

地上波版では真心×瑛太のラブストーリー、TELASA版では真心×優馬のラブストーリーを描いていくという。

主演は「永遠の昨日」「あなたの番です」ほか「星から来たあなた」にも出演していた大友花恋、「MEN'S NON-NO」専属モデルで「推しが武道館いってくれたら死ぬ」で注目の豊田裕大、「ANIMALS-アニマルズ-」のカメラマン役で注目を集めた本田響矢というネクストブレイク有望の若手俳優が共演する。

地上波「正しい恋の始めかた」は2023年1月1日(日)深夜0時25分~テレビ朝日にて(関東ローカル)。
TELASA「正しい恋の始めかた~ほろあま?ほろにが?デート編~」は2022年12月31日(土)午前11時~先行配信。


「俺はまだ本気出していないだけ」が
「夫婦の世界」の“あの俳優”でドラマ化


堤真一主演で2013年に映画化された青野春秋の人気コミック「俺はまだ本気出していないだけ」が原作。韓国ドラマ「夫婦の世界」でキム・ヒエ演じる妻がありながら、ハン・ソヒ演じる年下の女性と不倫する夫テオ役でブレイクし、「マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~」や映画『非常宣言』などにも出演してきたパク・ヘジュンが主演。

医療用品を扱う企業で営業をしているナム・グムピルは、ひょんなことから10年勤めた会社を辞めてしまう。40歳を過ぎてシングルファーザーのニートとなった彼はある日、ウェブ漫画家という夢を見つけ、公募展に応募しようと漫画を描き始めるが…。

日本での映画化の際も、それまで渋い演技派のイメージのあった堤さんがボサボサ頭に無精ヒゲの主人公を演じて話題を呼んだ今作。だらしがなくて情けないものの、楽天家で心優しく、絶賛自分探しの途中のグムピルに扮するパク・ヘジュンもまた意外にハマって見えてくる!?

そんな父の姿をときに冷ややかに、ときに温かく見つめる高校生の娘サンア(日本版では橋本愛が演じた)役の新星パク・ジョンヨンは、今後飛躍していきそうな輝きを放つ。グムピルの父親役は「今日のウェブトゥーン」でベテラン漫画家を演じているキム・ガプス。

ちなみに「夫婦の世界」も、英国BBCの「女医フォスター 夫の情事、私の決断」の韓国リメイクだ。

「俺はまだ本気出していないだけ」はU-NEXTにて配信中。


U-NEXTで見る

岡田准一×綾野剛×藤井道人監督で
『最後まで行く』


岡田准一と『ヴィレッジ』「インフォーマ」が控える藤井道人監督が初タッグを組んだ映画『最後まで行く』は、ひき逃げを隠蔽しようとした汚職刑事がその目撃者と名乗る男によって極限まで追い詰められていくクライムサスペンス。刑事でありながら、ひき逃げをまさかの方法で隠蔽しようとする“マズい男”を岡田さん、彼を執拗に追い詰める“ヤバい男”を綾野剛が演じ、本格共演を果たす。

元になった2014年の同名映画は、『パラサイト 半地下の家族』「マイ・ディア・ミスター」イ・ソンギュンと『警官の血』『毒戦 BELIEVER』のチョ・ジヌンという韓国ファン垂涎の共演によるもの。“パク社長”が印象深いイ・ソンギュンが慌てふためき動揺しまくる姿と、その一方で、何を考えているのかまるで読めない不気味なチョ・ジヌンは記憶に残る名演。警官役で新人時代のパク・ボゴムも出演している。

『最後まで行く』(C)APOLLO

監督は映画『トンネル 闇に鎖された男』や世界的ヒットとなったNetflixシリーズのKゾンビ時代劇「キングダム」のキム・ソンフンが務めた。第67回カンヌ国際映画祭の監督週間招待作品に選出、大韓賞監督賞ほか青龍映画賞や百想芸術大賞で評価され、韓国で5週連続No.1、観客動員345万人の大ヒットとなって愛された作品だ。

中国、フランス、フィリピンでリメイクされ、満を持しての日本リメイクに藤井監督は「1秒も飽きることない、ノンストップエンターテイメントに仕上がっている」「新境地の岡田准一さん、綾野剛さんが撮れた」と手応えを持ってコメントしている。

『最後まで行く』は2023年5月19日(金)より全国にて公開。


『スマホを落としただけなのに』が
韓国流でどう変わる!?


「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した志駕晃による同名小説を原作に、主演・北川景子、監督・中田秀夫で2018年に映画化された『スマホを落としただけなのに』。あらゆる個人情報が詰まったスマホを落としたことをきっかけに日常が脅かされ、やがて連続殺人事件に巻き込まれていく現代のSNSミステリーとして、フィッシング詐欺やネットストーキング、“なりすまし”なども交えて描き、大ヒットを記録した。

チョン・ウヒ

韓国版に出演するのは、現在『死を告げる女』が公開中、「恋愛体質~30歳になれば大丈夫」や『雨とあなたの物語』でも知られるチョン・ウヒと、映画『非常宣言』や「それでも僕らは走り続ける」など日本でも高い人気を誇るイム・シワン。さらに、『名もなき野良犬の輪舞』でイム・シワンと共演したキム・ヒウォン。それぞれスマホを落とした会社員、スマホの修理屋、刑事を演じる。

イム・シワン

すでにクランクアップしており、新鋭監督キム・テギュンが日本を凌駕するIT/SNS社会を舞台にどう描くのか、続報に注目。


大ヒットドラマ「愛していると言ってくれ」「アンナチュラル」もリメイクへ


TBS系で1995年7月期に放送された北川悦吏子脚本によるラブストーリー「愛していると言ってくれ」もリメイク決定。俳優のみならず、最近では「イカゲーム」イ・ジョンジェと設立した製作会社でプロデューサーとしても活躍するチョン・ウソンが、豊川悦司が演じた聴覚障がいのある新進画家役を演じる。彼の本格ドラマ出演はおよそ10年ぶり、同作の韓国リメイクを長年熱望していたという。

チョン・ウソン

常盤貴子が演じた劇団で演技の勉強を続ける女優の卵役は、「賢い医師生活」シリーズで人気を博し、ソン・ジュンギ主演「財閥家の末息子」(原題)にも出演していたシン・ヒョンビン。

シン・ヒョンビン

また、2018年1月期に放送された「重版出来!」野木さん脚本・塚原あゆ子演出による「アンナチュラル」は、石原さとみ演じる法医解剖医の三澄ミコトが、“不自然な死”として「不自然死究明研究所(UDIラボ)」に運び込まれた死体に向き合い、“死”の裏側にある謎や事件をスリリングに解明する法医学ミステリー。オリジナル版の韓国放送時は、現地でも人気となった。

韓国ならではの企画力・制作力でどんな「アンナチュラル」に生まれ変わるのか。現在、脚本やキャスティングが進められているという。

さらに、2022年の韓国で観客動員1200万人超えるメガヒットとなった『犯罪都市 THE ROUNDUP』の前作『犯罪都市』(原題:The Outlaws)の日本版リメイクも制作進行中とされている。

『犯罪都市』

双方のノウハウをどれだけ活用できるのか、自国向けに何をどうアレンジするのか、何をあえて残すのかが見どころとなるリメイク作品。それぞれの作品に関わる制作陣の手腕に期待したい。


※【更新】2023年1月5日13:50 記事内の誤字を修正しました。
《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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