『おつかれさま』でクムミョンの元カレは「息子を溺愛する母親の犠牲者」だったのか

Netflixシリーズ『おつかれさま』の後半において、あまりにも悲しい運命になったのがヨンボム(演者イ・ジュニョン)であった。

彼は愛していたクムミョン(演者IU)と結婚間近だったのに、結局は挙式を前に破談になってしまった。彼が悪いわけではなかった。すべては母親のせいだった。

とにかく、ヨンボムの母親はクムミョンとその母親エスン(演者ムン・ソリ)を極端に嫌っていた。本来なら、溺愛する息子の妻になる女性を大事にすべきなのに、ヨンボムの母親はまったく違っていた。自分のエゴがあまりに強すぎて、結果的に息子を不幸にする羽目になった。

一番辛いのはヨンボムである。彼は心の底からクムミョンを愛していた。彼女と結婚することが彼の最高の喜びになるはずだった。それなのに彼の母親はこの結婚を望まず、むしろ妨害ばかりしていた。

じっと耐えていたクムミョンだが、ヨンボムの母親が自分とエスンをあまりに軽蔑するのを見て、クムミョンの堪忍袋の緒が切れた。

ヨンボムの悲しさ

彼女はヨンボムを愛していたが、彼の母親からひどい仕打ちを受けることに我慢ができなくなった。ついにクムミョンは結婚のとりやめを決断した。

諦めきれないヨンボムは何度もクムミョンに言い寄って来た。しかし、クムミョンは一度決めた以上は絶対に気持ちを変えなかった。1年をかけて辛抱強くヨンボムを説得して、結局2人は完全に別れた。

それでもヨンボムは執念深かった。彼はクムミョンの結婚式にまで出かけてきて、遠くから彼女のウェディングドレスを眺めていた。

もしも彼がクムミョンの前に現れたら、結婚式はどれほど混乱しただろうか。しかし、最後でヨンボムはかろうじて自制した。そのときのヨンボムはどれほど辛かったことだろうか。彼の人生は母親によって完全に狂わされてしまった。

『おつかれさま』は様々な登場人物たちの人生を真摯に描いていたが、その中でヨンボムの悲しさは本当に底がなかった。

文＝康　熙奉（カン・ヒボン）

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