『花束みたいな恋をした』の土井裕泰監督の最新作『平場の月』主題歌に、星野源が書き下ろした「いきどまり」が決定。堺雅人と井川遥のリアルで切ない大人のラブストーリーを、月明りのように優しい旋律で包み込む主題歌にのせた最新予告映像も解禁となった。
本作は、初恋から紡がれるリアルで切ない大人のラブストーリー。2018年の刊行以来、発行部数20万部を突破し、第32回山本周五郎賞を受賞した朝倉かすみによる同名小説が原作。
この度、社会現象となった「恋」をはじめ数々のヒット曲を生み出し続け、世代やジャンルを超えて多くの人々を魅了し続ける音楽家・星野源が新たに書き下ろした「いきどまり」が本作の主題歌に決定。
まるで降りそそぐ月明かりのように紡がれるピアノの旋律と儚げな歌声は、聴く人の心にやさしく響き、ささやかな希望の余韻を残す、星野源の新境地ともいえる楽曲となっている。

本作の主題歌を担当するにあたり「いただいた脚本を読み、ピアノをぽろぽろと鳴らしながら作曲していきました。最近私は自身を焼き付けるような楽曲を書いてきましたが、この新曲『いきどまり』は自身を歌ったものではなく、歌の中に物語があり、それが一人称で語られる楽曲です」とコメントを寄せている。
また、主演の堺は今回の楽曲について「曲を聴きながら、井川遥さん演じる須藤と過ごしたいろいろなシーンを思い出しました。映画の世界を、月光にも似た淡く優しい光で照らしてくれるような曲ですね。星野さんが言葉にしてくださったフレーズのおかげで、物語をより理解できた気がします」と語る。

さらに、かねてより星野源のファンであったという土井監督からは「(主題歌となる楽曲は)愚かしくも愛おしい人間の営みへの眼差しがあって、シニカルなのに温かく、諦念の中にささやかな希望を忘れていない。この曲をもって完結することができる『平場の月』はなんと幸福な映画だろう」とコメントを寄せている。
その主題歌「いきどまり」にのせた最新予告映像も解禁。
地元に戻って平穏に生活する青砥(堺)と須藤(井川)が再会し、共に過ごす何気ない穏やかな時間の中で、“なんかちょうどいい”距離へと徐々に関係を深めていく様子が映し出される。

視線や仕草のひとつひとつにお互いへの特別な感情をにじませる2人。中学時代と現在の姿が折り重なるように描かれ、静かに呼応していく。
「私は青砥が一緒にいたいと思うようなやつじゃない」と気持ちを吐露する須藤。「俺はお前と一緒に生きていきたい」とまっすぐに訴える青砥。
星野源が歌う主題歌「いきどまり」が、交差する青砥と須藤の想いをより鮮明に浮かび上がらせ、優しい光で包み込みながらささやかな希望をもたらしている。
そして、ナレーションは中学時代の須藤を演じた一色香澄が初挑戦で担当した。

コメント全文
星野源
ある日、土井監督と那須田(淳)プロデューサーが「直に話したい」と僕の作業場まで来てくれました。映画『平場の月』の主題歌を制作して欲しいというオファーでした。今まで何度もお仕事ご一緒しているけど、こんな風に自分の居場所まで来てくれて3人だけで話すなんて滅多にないなあ、と嬉しかったのを覚えています。いただいた脚本を読み、ピアノをぽろぽろと鳴らしながら作曲していきました。最近私は自身を焼き付けるような楽曲を書いてきましたが、この新曲「いきどまり」は自身を歌ったものではなく、歌の中に物語があり、それが一人称で語られる楽曲です。劇場の中で、そして貴方の中で、ぜひこの楽曲を聴いてください。
堺雅人
曲を聴きながら、井川遥さん演じる須藤と過ごしたいろいろなシーンを思い出しました。映画の世界を、月光にも似た淡く優しい光で照らしてくれるような曲ですね。また、「間違いだらけの優しさ」「忘れられぬ呪い」「行き止まりの二人」といった、星野さんが言葉にしてくださったフレーズのおかげで、物語をより理解できた気がします。出演者として本当に嬉しく思います。星野さん、ありがとうございました。
土井裕泰監督
俳優・星野源とはこれまで何度か仕事をしてきたけれど、勿論そのずっと前から、彼の音楽や文章のファンだった。紛れもない現代のPOPSTARでありながら、その表現のベースには常に市井の人の視線や実感があって、だからこそ彼の眼を通して見た世界はとても信用できる。
この平場の男女の物語は彼の眼にはどんな風に映るのだろうか? ある時、そんな興味に急にとらわれて、多忙な彼に台本を届けに行ってしまった。
数か月経って、ツアーが一段落した彼から返ってきたのは、彼の声とピアノだけのシンプルで美しい曲だった。
「切ない、大人の、恋物語」などという惹句ではとても掬いきれない、愚かしくも愛おしい人間の営みへの眼差しがあって、シニカルなのに温かく、諦念の中にささやかな希望を忘れていない。
この曲をもって完結することができる『平場の月』はなんと幸福な映画だろう。星野源の歌う言葉を、どうか劇場で、最後の一音までもらさずに聴いてほしい。
『平場の月』は11月14日(金)より全国にて公開。


