長澤まさみ主演映画『おーい、応為』より、長澤演じる葛飾応為のキャラクターPVが公開された。
本作は、葛飾北斎の娘であり、もう一人の天才絵師・葛飾応為の波乱万丈の人生の物語。
現存する資料は極端に少なく、その実像は未だベールに包まれている応為。背が高く、家事は大の苦手。筆を取れば誰よりも緻密で大胆な線を描き、美人画では父を凌ぐと評された人物。

映像では、火事を「格好が良くて、綺麗でしょ」と見つめ、その体験から代表作「吉原格子先之図」が生まれる瞬間を捉えている。夫と離縁して北斎の元に戻るが、北斎の門弟で売れっ子絵師・初五郎/魚屋北渓(大谷亮平)への淡い恋心に揺れながら、生き方を模索する姿も。
兄弟のような存在の善次郎(高橋海人)から「寂しくなったりしないのかい」と問われたり、母・こと(寺島しのぶ)に「女は赤いものをつけると優しくなれるものだよ」と諭されたりと、絵師としての才気と一人の女性としての孤独や恋心が交錯する。
「吉原格子先之図」や「夜桜美人図」のように、光と影のコントラストが際立つものが多い応為の現存作。浮世絵監修・向井大祐、松原亜実は、「光と影のコントラストや色彩感覚は北斎とは異なる独自性を感じる」「大量に複製される版画とは異なり、肉筆画が多く残されているのも応為の特徴。依頼や注文がなければ描かれない肉筆画を多く手がけていたこと自体が、彼女の確かな技量を物語っている」と分析。「女性だからではなく、一人の絵師として確立した存在。現代的なバイタリティを持っていた」と評価。
大森立嗣監督は「才能があるのに、さらに上をいく天才である北斎のそばで生きることを選んだ。その姿が描きたかった応為なんだと思う」と語り、長澤は「知れば知るほど、味わい深い人物で、実際に彼女に会ってみたいと思った。絵や北斎に対しては、まるで人生そのものをかけているようで、勇ましく神々しい。その全てに憧れを抱きながら演じていた」と撮影をふり返っている。
『おーい、応為』は10月17日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。
※高橋海人の「高」は、正しくは「はしごだか」


