日本の韓ドラファンの間でも根強い人気を誇る『応答せよ』シリーズや『ユミの細胞たち』シリーズ、そして筆者が愛してやまない 『賢い医師生活』。新作ドラマの情報が解禁されるたび、「これは面白そうだ」と感じて放送局を確認すると、実はtvNの作品だったという方も多いのではないだろうか。
tvN(Total Variety Networkの略称)は、ケーブル・有料放送チャンネルとして2006年に開局。韓国屈指のエンターテインメント企業であるCJ ENMが運営しており、当初はバラエティ番組が中心の比較的小規模なチャンネルだった。
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2010年代後半以降、キム・ウォンソクPDやシン・ウォンホPDなど才能溢れるプロデューサーが地上波から続々と移籍。ドラマ制作にも力を注ぎ、KBS・MBC・SBSの地上波3局を視聴率で上回るなど、今や韓国ドラマ界を代表する存在として確固たる地位を築いていると言っても過言ではない。そこにはCJ E&Mのドラマ制作部門を分社化して設立された韓ドラファンにはおなじみ「スタジオドラゴン」の存在も大きいだろう。
「tvN」というテレビ局の名前を聞いたことがない方でも、実は知らず知らずのうちにtvNドラマに触れていた、もしくはハマっていたという方もいるのではないだろうか。なかでも、局の看板枠である土日ドラマは高い評価を集めることが多く、韓国で高視聴率を記録した作品は日本でも根強い支持を得ているものが多い。そこで今回は魅力的な作品多数のtvNドラマについて紹介していきたいと思う。
①『愛の不時着』
北朝鮮の将校と韓国の財閥令嬢という、決して交わるはずのなかった二人の恋を描いた大ヒットラブストーリー。財閥令嬢のユン・セリ(演者ソン・イェジン)は新商品のテスト中にパラグライダー事故に遭い、予期せず北朝鮮へ不時着してしまう。そこでセリを助けたのが、北朝鮮軍のエリート将校リ・ジョンヒョク(演者ヒョンビン)。韓国へ戻る方法を探しながら身分を隠して暮らすうちに、次第に心を通わせていく。

制作は今や韓国ドラマ界を牽引するスタジオドラゴン。コロナ禍でNetflixをはじめとする動画配信サービスが生活に浸透していくタイミングと重なったこともあり、日本での韓国ドラマブーム再燃の火付け役となった作品といっても過言ではないだろう。
②『応答せよ1997』
2012年、久しぶりに集まった高校の同級生たち。その中で明かされる“結婚するカップル”の正体を軸に、物語は1997年の釜山へとさかのぼっていく。アイドルグループH.O.T.に夢中な女子高生シウォン(演者・A Pinkチョン・ウンジ)と幼なじみのユンジェ(演者ソ・イングク)を中心に、初恋や友情、家族の絆が描かれる青春ラブストーリー。
韓国ケーブルドラマの歴史を塗り替える大ヒットを記録した作品となり、その後『応答せよ1994』『応答せよ1988』へと続く大人気シリーズの原点となった。。脚本・演出ともにバラエティ出身のシン・ウォンホPDと脚本家イ・ウジョンのゴールデンコンビが製作。ケーブルドラマ隆盛の基礎を築いた名作ともいえるだろう。
③『賢い医師生活』シリーズ
スターPDのシン・ウォンホ率いるチームが製作した、それまでありそうでなかったタイプの医療ドラマ。同じ医学部で青春時代を過ごした5人の仲間たちが40代となり、それぞれが専門医として活躍するなか、再びユルジェ病院で働くことになる。難関手術や医師の派閥争いなどにスポットを当てた作品ではなく、病院での何気ない日常を描いているヒューマンドラマ。

次世代を担う若手俳優や実力派ミュージカル俳優を積極的に起用し、新たな人気スターもこのドラマから続々と登場。スピンオフの『いつかは賢いレジデント生活』も2025年の大ヒットドラマのひとつとなった。賢医ファンである筆者としては、続編であるシーズン3の発表が待ち遠しい。
④『キム秘書はいったい、なぜ?』
容姿、頭脳、財力のすべてを兼ね備えたナルシストな副会長イ・ヨンジュン(演者パク・ソジュン)。そんな彼を9年間支えてきた有能な秘書キム・ミソ(演者パク・ミニョン)が、ある日突然「自分の人生を歩みたい」と退職を宣言する。動揺したヨンジュンはあらゆる手を尽くして引き留めようとし、ついにはプロポーズまで敢行。しかしミソはまったく相手にしない。さらに、ヨンジュンと因縁を抱える兄ソンヨンが帰国しミソに接近。恋の行方と兄弟の確執が絡み合うラブコメディだ。

これぞ王道ラブコメ!といった作品。韓ドラファンの間で話題の名キスシーンも多数あるのだとか…?大ヒットウェブトゥーンが原作で、テンポよくストーリーが進んでいくのもヒットにつながった理由のひとつといえるだろう。
先日放送が終了したばかりの『秘密の監査 -Filing for Love-』や2PMのジュノ出演の大ヒットドラマ『テプン商事』、ウェブトゥーン原作の『女神降臨』やアイドルオタクの日常をリアルに描き話題となった『彼女の私生活』、名作として名高い『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』、そして韓ドラファンにはおなじみの『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』など、韓国国内外で大きな反響を呼んだ作品を、次々と世の中に送り出している。これから先、どのような名作が生まれるのか。引き続き注目していきたいテレビ局だ。
(文=豊田 祥子)
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