三島有紀子監督作『男ともだち』の出演キャスト陣が解禁となった。
直木賞作家・千早茜のロングセラー小説「男ともだち」(文春文庫)を映画化した本作。29歳のイラストレーター・神名(松岡茉優)と7年ぶりに再会した大学時代の先輩・ハセオ(成田凌)の「3つの夜」を描く。
この度解禁されたのは、神名とハセオの物語を彩るキャラクターたち。
神名の恋人で同棲相手・彰人役には井上祐貴。文具メーカーに勤め、几帳面で規則正しい生活を送るが、神名とはすれ違う毎日を送っている。恋人同士の気持ちが冷めていく様を痛々しく絶妙なトーンで好演する。本作が三島組初参加となった井上は「1カットで撮影をする長回しのシーンが多く、その緊張感を全身で感じながら過ごした刺激的な撮影現場でした」と語る。
神名の浮気相手で妻子ある医師・真司役には中島歩。大学病院の勤務医で、不思議な空気をまとい気分屋な人物を演じる。中島は「出たよ中島と思われるかもしれない役回りですが懲りずに楽しんでいただけたらと思います」とコメント、本作でも印象深く、キャラクターの存在感を植え付ける。
神名の大学時代の友人・美穂役には、宝塚歌劇団出身で女優・歌手として活躍する咲妃みゆ。東京から結婚を機に京都に戻り神名と再会する人物で、神名の複雑な感情に理解を示す役柄だ。
さらに神名とハセオの先輩でライブハウスのオーナー・岩佐に三浦貴大、各々がキーパーソンとしての役目を担い、神名が通う映画館の映写技師の女役の余貴美子、美術館のキュレーター・楢崎役の池畑慎之介が作品に深みを与える。
また、脚本は『愛がなんだ』の澤井香織が担当。原作のエッセンスを活かしながら、複雑な登場人物の感情を浮かび上がらせた。
撮影は『室町無頼』(25/入江悠監督)の大塚亮、照明は『ちょっと思い出しただけ』(22/松居大悟監督)の藤井勇が手がける。生きたロングテイクの中で、俳優陣の体温や息づかい、その場所の景色や空気を余すところなくリアルに映し取った。
美術は『国宝』(25/李相日監督)で第49回日本アカデミー賞最優秀美術賞を受賞した下山奈緒が担当し、登場人物の過去を想像させる豊かな"痕跡"や"記憶"を宿した空間を創り上げた。
コメント全文
井上祐貴
不思議な関係と絆で繋がっている2人の、お互いを思いやる愛情が印象的な作品でした。
僕自身としては、演じさせて頂いた彰人が神名との冷めていく関係をどう感じて向き合っているのか、をとても考えさせられた作品です。
撮影時は、松岡さんはじめ監督やスタッフの皆さんと何度もリハーサルを重ねる事で、彰人というキャラクターにより深みを持たせられたのでは、と思っています。1カットで撮影をする長回しのシーンが多く、その緊張感を全身で感じながら過ごした刺激的な撮影現場でした。
決して綺麗ではないけれどそこかしこに何故か共感できる部分がある、そんな作品になっていると思います。是非お楽しみに。
中島歩
松岡さん演じる神名はピリピリしていて隣にいるだけで緊張しました。そう感じさせられる松岡さんにとても刺激を受けました。
そんな神名は観客を「男ともだち」というロマンチックな関係に陶酔させることを許さず、容易に感情移入もさせてくれません。しかしそれを作品の魅力にしてしまう三島監督の演出が本当に素晴らしかったです。
私はというと、出たよ中島と思われるかもしれない役回りですが懲りずに楽しんでいただけたらと思います。
咲妃みゆ
言葉にし難い"絶妙な関係性"は往々にしてあるだろうし、断定的に言語化するなんてそもそも出来るはずないのかもしれません。この物語に触れながらそんなことを漠然と考え、何処か心が救われたような気持ちになりました。辻田美穂は神名の抱く複雑な感情に理解を示し共鳴し合う稀な人物です。美穂にとっても神名との結びつきは唯一無二の光であることを胸に留め大切に演じさせていただきました。映画を愛する三島監督の並々ならぬ情熱を全身で感じ、松岡茉優さんの圧倒的な集中力に惹きつけられた撮影期間でした。この映画に携われたことを幸せに思います。人間ならではの複雑さと愛おしさを、ぜひ劇場でお楽しみください。
三浦貴大
自分と他人との関係は、実はひどく曖昧で、それに名前を付けることでしか確認できないのかもしれない。
生きてく上で無意識に感じている寂しさや言語化できないような感情を、そっと差し出してくれるような映画でした。
岩佐という役柄を演じるにあたって、迷う部分は沢山ありましたが、現場で監督と話をする中で「現実も映画も色んな人がいて良い」という言葉に救われました。
多くの人にこの映画が届くことを願っています。
余貴美子
三島監督から、原作にはない[映写技師の女]、映画の神様、という畏れ多いお役を承りました。ほんのちょいの間の登場ですが、その役はかつてロマンポルノに出演したことのある女優らしい。と、それだけで、演じるのがワクワクしました。
京都にある映画館出町座で、主人公が自分の気持ちを吐露する場面。
皆様も映画館でモヤモヤした気持ちをしっとりと味わって頂きたいと思います。
池畑慎之介
第一線で活躍されるお二人が出演する本作に参加でき、大変光栄に思っております。
初めて挑んだキュレーター役では大きな感情表現がない分、後ろ姿の佇まいや絵と向き合う静かな時間、そして楢崎呉羽というキャラクターをどのように表現するか、丁寧に向き合いました。皆様の思い描く“キュレーター像”として映っていれば幸いです。
松岡さんのお誕生日に撮影をご一緒でき、私にとても印象深い一日となりました。映像の美しさとお二人の織り成す世界観をぜひご堪能ください。
私もささやかではありますが、この作品にお力添えさせていただいております。
『男ともだち』は11月6日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。



