ベルギー映画『母親たち』(18)をリメイクした『隣人たち』よりブノワ・ドゥローム監督のインタビューとメイキング映像が解禁された。
本作は、アカデミー賞助演女優賞受賞のジェシカ・チャステインと、アカデミー賞主演女優賞受賞のアン・ハサウェイという二大オスカー女優が共演するサイコ・スリラー。

この度解禁されたのは、ブノワ・ドゥロームが初監督作である本作の見どころや主演ふたりとの制作秘話を語ったインタビューと、撮影現場の裏側を収めたメイキング映像。
ブノワ・ドゥロームは『青いパパイヤの香り』『博士と彼女のセオリー』などで知られる国際的な撮影監督。本作が長編映画監督デビュー作となる。
ブノワ・ドゥローム監督は、まず本作を「ニュージャージー郊外に暮らす二人の女性の物語」と紹介。「1960年代を舞台にしたスリラーで、あらゆる要素が重要なんです。構成も、細部の一つひとつにも意味があります」と作品へのこだわりを明かした。
続けて、「セリーヌ(アン・ハサウェイ)は大きな家に住んでいて、すべてが清潔で完璧に見えます。彼女自身も、完璧な人間のように見える。けれど、その裏には、まだ見えていない何かが隠されているかもしれません」とキャラクターについて説明。
一方、ジェシカ・チャステイン演じるアリスについては、「どこか神経質なところがあって、彼女の内側からは不満や苛立ちが伝わってくる」と語る。さらに、「二人の夫はとても融通の利かない人物で、妻たちに多くを与えているとは言えないでしょう。彼女たちの生活は孤独で、単調な毎日です」と背景を解説。
それぞれに息子を持ち、家族ぐるみで交流を続ける二人について、「そんな日々が永遠に続くと思いきや、ある日、事故が起きるのです」と語り、平穏な日常が一変する物語の転機を示唆した。

また、自身の監督デビューについても言及。「私は撮影監督として40本の映画に携わってきましたが、監督を務めるのは今回が初めてでした」とふり返る。長年の親交があるジェシカ・チャステインについては、「彼女がまだ駆け出しの頃、初期の作品で知り合いました。この役は、ジェシカにとって、とても脆い部分をさらけ出すものでした。それはアンについても同じです。二人とも母親でありながらこの役を演じることは、人として非常に難しかったと思います」と、その演技を高く評価した。
二人のアプローチの違いについても触れ、「ジェシカは、とてもヨーロッパ的な感性を持った女優です。フランス映画的、と言ってもいい。彼女は常に抑えた演技をしようとします。準備は非常に入念でありながら、同時にとても直感的でもある」とコメント。
一方のアン・ハサウェイについては、「役についてたくさんのアイデアを持っていました。外見から所作に至る細部まで、綿密なビジョンを持っていた。ただ、彼女は私にとってどこか謎めいた存在でもありました。良い意味で掴みどころがなく、それがこの役にとって、とても興味深い要素になったのです」と評している。
さらに、撮影・照明・演出を自ら担当したことについて、「それを自分でできたのは素晴らしい経験でした。そうすると、映画そのものが変わってくるんです。その中心にいるのは自分ですからね」と語り、監督としての手応えを明かした。

そんなドゥローム監督が敬愛する映画監督はアルフレッド・ヒッチコック。「私はヒッチコックが大好きですし、今でも彼に立ち返ることには意味があると思っています」と語り、「いま映画をつくるうえでも、物事に二重の意味を持たせたり、曖昧さを残したりすることは重要です。誰が善人で誰が悪人なのか、簡単には分からない――そんな作品にしたかった」と作品づくりへの思いを明かした。
その影響は映像表現にも色濃く反映されている。「ヒッチコックからは映像の面でも影響を受けています。60年代らしいルックや色彩も意識しました」と説明。最後に観客へ向けて、「もちろん観客には、恐怖や衝撃、驚きを感じてほしい。ですが同時に、“もし自分の身に起きたら、自分はどうするだろう”ということも考えてほしいですね」とメッセージを送った。
『隣人たち』は7月24日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて順次公開。




