1986年、ブルックリン、パークスロープ。16歳のウォルトと、12歳のフランクの兄弟は、人生の大問題に直面していた。かつては作家として脚光を浴びたが長年スランプの父バーナードと、新人作家として華々しいデビューを飾ろうとしている母ジョーンが、ある日突然離婚を宣言。共同監護の名のもとに兄弟は父の家と母の家をピンポンのように行き来することに。思いもよらぬ家族の崩壊に、少年たちは最大級のショックを受けるが、2人がようやく口にできたのは、本当に聞きたいことよりも飼い猫はどっちの家に暮すかの心配だけ。ビールを飲みすぎて兄にからんだかと思えば、学校でも大問題を起こしてしまう弟フランク。母親を汚い言葉で罵って平手打ちを食い、ピンク・フロイドの名曲「Hey You」をパクったせいでセラピー通いをするはめになる兄ウォルト。誰しもが思い当たる10代の頃の“大人は判ってくれない”この痛み。“親”になるのが下手な大人が、ビミョーな年頃の子供たちを最大級に揺さぶってしまう残酷さを、笑いと涙に変える巧みな脚本で描いた本作は、本年度アカデミー賞最優秀オリジナル脚本賞ノミネートに加え、ロサンゼルス批評家協会賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞、ニューヨーク批評家協会賞の3賞において脚本賞(ノア・ボーンバッハ)を受賞。
ノア・バームバック
この秋から年末にかけて、妙に多いアニマル系映画。動物が登場する作品といえば、ファミリー映画の定番なので、夏休みや年末には多くなるものなのだけど、今年は異例なほどに動物がらみのものが多い。タイトルに動物が入るものを含めると、動物が登場し大活躍するファミリー映画に留まらず、ヒューマンドラマやミステリーなど、秋から年末にかけて映画館はZOO状態になりそうです。
第78回アカデミー賞の脚本賞にノミネートされた話題作『イカとクジラ』が、12月2日(土)より公開されることが決定した。