激しい嵐の翌日、浜辺にたどり着いて目を覚ました男がいた。彼は、自分の名前すら覚えておらず、なぜか追われているように怯えていた。彼を助けた美しいダンサーのマヌエラは、その男が近くの収容所からの脱獄者かと思いながらも、ミステリアスな彼に次第に惹かれ、2人は熱く激しい愛に溺れていく…。だが、ハバナの音楽に彩られた現実の中にふいに現れる、ショッキングで残酷な拷問と屈辱が続く白昼夢が交錯するうち、驚愕の真実が映し出される――。ハバナの情熱的な音楽と白昼夢のような恐ろしいドラマのコントラストで描くミステリアス・ワールド。
ビセンテ・ペニャロチャ