殺伐とした大都会、東京。東京湾を見下ろすバス停に青森行きの長距離バスを待ってひとりの男、佐藤(大江千里)が立っている。足元には札束の詰まった紙袋。娘を殺した犯人に復讐を果たし、どさくさに紛れて奪いとったこの大金をメキシコの慈善プロレス団体に寄付したら、佐藤は自分の人生に終止符を打つつもりだ。そこにロシアから来た若く美しい女・パステル(ティアラ)が現れ、彼女は佐藤を見るなり言う。「死ぬの?」と…。最愛の家族を失ったことで未来を失ってしまった男と唯一の肉親である祖父を日本で亡くしてロシアから来た女が出会い、東京から青森への道行きを描いた珠玉のロードムービー。
井上春生