アルバイトをしながら小説を書いている、駆け出しの作家・稲泉悟(高田宏太郎)。そんな彼の元に、出版社で働く友人・明日香から仕事の話が舞い込む。悟は原稿を携えて編集長・鹿島の元を訪れるが、「魂が感じられない」と一蹴される。だが、彼の才能を見込んでいた鹿島は、これがラストチャンスというのを条件に悟へ自分の別荘を創作活動の場として貸し出す。静かな別荘で一人執筆を試みる悟だったが、思うように筆は進まず葛藤する日々が続く…。そんなある日、悟は海辺で寄子(櫛山晃美)と名乗る美しい女と出会う。そして、悟は彼女とごく自然に日々を積み重ねてゆき、穏やかに時が過ぎていく。そして悟は、寄子を深く愛し始め、執筆も順調に進んでいた。だが、筆が進めば進むほど寄子の表情に変化が見えていたが、悟は気付かず執筆をこなしていた。やがて、夏が終わりに近づき、遂に小説が完成するのだが――。
棚木和人