木漏れ日が射し込み、海の香りが漂う、ゆるやかな時間が流れる“南の小さな島”。ここで雑貨店を営みながら、愛犬・カフーと暮らす不器用で地味な青年・明青(玉山鉄二)の元に、ある日1通の手紙が届く。その手紙には「あなたのお嫁さんにして下さい」と書かれている。思い当たる節は、以前旅行先の神社で、出来心で絵馬に書いた「嫁に来ないか。しあわせにします。」という願掛けの言葉だけ。そしてある日突然、幸と名乗る美しい女性が訪ねてくる。なんの説明もなく、明青の家に住み着いてしまう彼女だったが、明青を幼少から面倒を見てきたミツも、彼女のことを“カフー”(幸せ、良い知らせ)として受け入れ、明青は幸と共に暮らし始める。そして何気ない穏かな生活を送るうちに、明青と幸はお互いを大切な存在に感じ始めるが、島でのリゾート開発問題や幸の衝撃の過去によって、2人の想いは徐々にすれ違っていく…。
中井庸友