51年もの間、台湾が日本の統治下にあった時代に青春期を送った5人の台湾人。彼らは現在、霧に包まれた茶畑で茶摘みに精を出す楊足妹さん、故郷の友人たちを訪ねる旅に出る台湾原住民出身の塔立國普家儒漾さん、地元の小学校の同窓会で威勢よく校歌を歌う陳清香さん、元日本兵でボランティア解説員として台湾の歴史を伝える蕭錦文さん、そして日本人教師への感謝の念を抱き続ける宋定國さん。舞台を、台湾東部の花蓮縣、台北、高雄、南部の恒春半島、基隆、日本の千葉県鎌ヶ谷市に移しながら、彼らの現在の暮らしの様子や、日本統治時代に戦後の国民党独裁時代を経て、現在に至るまでの人生をインタビューでふり返る。台湾の最も波乱に満ちた時代を生きた日本語世代が、自らの人生をふり返るときに語る言葉とは――。
cocoレビューを見る酒井充子