敗戦後、自らの意思で所属部隊を離れ、現地に残った日本兵たち。彼らは、軍隊で培った技術を生かし、土地に根づき、新しい家族をつくった。そして彼らは、子や孫たちと餅をつき、蕎麦を食べ、祖国を懐かしんでいる。しかし、そんな望郷の想いを引き裂くように、やがて質素な部屋の一角で、壮絶な戦争の記憶が語られはじめる――。祖国に帰ることなく、タイ・ビルマ国境付近で暮らすことを選んだ、6名の「未帰還兵」を映し出したドキュメンタリー。
松林要樹