フランスの小さな田舎町・トスト。厳格な修道院で育ったエマは“ボヴァリー夫人”と呼ばれる新しい世界に淡い憧れを抱き、年の離れた町医者のシャルル・ボヴァリーと結婚する。しかし、凡庸な夫との田舎での単調な結婚生活は、エマにとって死ぬほど退屈なものになっていく。徐々に生気を失い、ふさぎこんでいくエマを心配した夫は、新たな町での開業を決意。新天地で女の子を出産し、新しい生活に希望を見出すエマであったが、彼女の心が満たされることはなかった――。修道院で教育を受けた貞淑なエマ・ボヴァリーが、凡庸な夫に失望し、情事や浪費に耽った末、破滅に至るまでを描いた世界文学「ボヴァリー夫人」を映画化。
アレクサンドル・ソクーロフ