日本人の父を早くに亡くし、在日韓国人の母親の手で育てられた松木美江(内山理名)は、東京の投資顧問会社で働いている。そこへ韓国支店から、柳(キム・ウンス)が課長として転勤してきた。仕事で成功はしているが虚しさを埋められない柳と、何不自由ない生活に不安と退屈を募らせる美江は自然に惹かれ合ってゆく…。ある日、美江は柳の韓国での過去を聞かされる。1980年、民主化を求める市民と軍部が衝突した光州民主化運動。かつて柳はそのリーダーだった。次第に明らかになる、二人を結びつけた運命のいたずらとは――?
井上春生