サスーン・カットと言われる斬新なカットと確かな技術で一世を風靡し、VOGUEの表紙をかざり、ロマン・ポランスキー監督『ローズマリーの赤ちゃん』ではミア・ファローのヘアカットを担当するなど、60年代スウィンギング・ロンドンのファッション・シーンを牽引したヘア・スタイリスト、ヴィダル・サスーン。孤児院で育ち、戦争と貧困を生き抜き、ユダヤ人という出自、イスラエル軍兵士として経験し、そして情熱と努力で美容界に革命を起こしていく。ハサミ一つで世界のファッションを変えたひとりの男の軌跡を、サスーン本人のほか、盟友マリー・クワントやVOGUEのグレイス・コディントンなど、友人、家族、元スタッフなどのインタビューで辿ったドキュメンタリー。
クレイグ・ティパー