父・晃一の転勤で岩手県の片田舎に引っ越すことになった高橋一家。家でも会社でも居場所のない晃一、夫の能天気さに不満な妻・史子、友人関係に悩む中学生の梓美、好奇心旺盛なのに過保護に扱われる小学生の智也、そして認知症の疑いがある晃一の母・澄子。一緒に暮らしていても、それぞれに不満や問題を抱え心はバラバラであった。そんな一家が築200年の新居にも慣れた頃、家族がそれぞれ着物を着た子供に出会ったり、気づかぬ間に物が消えたりとおかしな現象に遭遇する。やがて、この古民家には座敷わらしが居ついていることが分かり、そのことで家族の関係に微妙な変化が…。
和泉聖治