全国の農家を訪ねては、農作業ばかりしている金次郎。実は、太田事務次官の命により、今後のプロジェクトのため農家の実態や本音を、人知れず聞いているのである。そんな金次郎は、津田官房長の嫌がらせで臼杵市役所農政局長として大分へ。一方、昨今の不況により、デザイナーを大見得切ってやめてしまった30歳の独身女・みのり。農業カフェを始めた友人に会うため大分を訪ねる。母から臼杵市にいる祖父・修造を尋ねるよう言われたみのりは、お茶の栽培を有機に変えて今年から収穫という時期の修造のもとへ行き、金次郎と出会う――。
塩屋俊
田中麗奈は立ち止まらない。「変化をしているときが一番楽しい」という言葉通り、全てを受け止め、前へと進んで行く。ここ数か月だけでも『源氏物語 千年の謎』における光源氏の恋人・六条御息所に『聯合艦隊司令長官 山本五十六 —太平洋戦争70年目の真実—』の踊り子の娘、そして『麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜』の看護師・金森と、次々と全く異なる役柄でスクリーンの中で存在感を示している。そんな彼女の最新作は、お茶づくりを通して温かい人間ドラマを描き出す『種まく旅人〜みのりの茶〜』。田中さんは東京での仕事に挫折し、祖父の暮らす大分でお茶づくりを始めるみのりを演じている。お茶づくり、映画づくり、そして30代を迎えた自らの人生について——胸の内の様々な思いを語ってくれた。
お茶作りのドラマを通じて日本の懐かしい風景を描き出す映画『種まく旅人〜みのりの茶〜』の完成披露試写会が2月29日(水)に都内で開催され、陣内孝則、田中麗奈、吉沢悠、柄本明、塩屋俊監督に主題歌を担当した中村中が舞台挨拶を行なった。
仕事収めもほどほどに、年末年始はおうちで家族と一緒にごはんを食べ、ゆっくりと過ごす喜びを感じる方も多いのでは? ほっと心と体を落ち着かせたいとき、私たち日本人の生活に欠かせないのが、一服のお茶。丁寧にじっくりと時間をかけて作られる“お茶”をモチーフに、シンプルな暮らしの大切さを見つめ直す、心温まる映画が誕生した。『種まく旅人〜みのりの茶〜』で、お茶の有機栽培を通じて新たな人生を歩み始めるヒロイン・みのりを等身大で演じた田中麗奈から、このほどシネマカフェの読者に向けてコメントが到着した。