演劇学科に通う大学生の雄司は生まれてからずっと母である和美と二人で暮らしている。 二人の間には会話はなく、コミュニケーションを取らなくなって久しい。ある日、 和美が日記にしか書いていない情報を知っているということに気付く雄司。 雄司もまた、ひょんなことから和美の日記を発見してしまう。そこには死産したはずの雄司の弟・礼司と楽しく生活する和美の様子が書かれていた。礼司は優しく強い自分へのあてつけのような性格だった。そして、代わりに自分が死産したことになっていた。雄司は、仕返しのために自分の日記に和美を傷つけるための嘘を書き始める…。
大江崇允