2011年3月11日に発生した東日本大震災。宮城県第二の都市、石巻市の死者・行方不明者は3,779人、ピーク時には5万758人が避難所生活を余儀なくされた。避難所の1つとなった旧北上川に近い湊小学校を訪れた藤川佳三監督は、避難所の底抜けに明るい様子に驚かされた。だが、数日過ごして分かったのは、笑顔の奥底にしまいこんだ悲しみの大きさだった。それから避難所が閉鎖されるまで6か月余り。避難所に泊まり込み、避難者に寄り添いながら、監督はカメラを回した。
藤川佳三