長谷川さん夫婦は雨の日も稲を刈り、元船頭の帆苅周弥さんが阿賀野川に吹く風の話を語る。その帆苅さんが会長を務める「水俣病患者の会」の活動。長谷川さんがかつて行っていた鮭漁の自慢話、囲炉裏での酒宴、唄を歌い酔いどれ話に花が咲く。舟作りをやめて5年も経つ遠藤さんの仕事場。新潟水俣病の裁判史上初めて、労働者の立場から水銀垂れ流しの実態を証言した江花豊栄さんの話。やがて遠藤さんは初めて弟子を取って川舟造りを教えるようになり、また天正川の漁師たちが、長谷川さんの鉤釣り漁を再び行うという、夢の実現を手伝ってくれる。1995年に新潟県の阿賀野川流域で蔓延した水俣病を患う3組の老夫婦の日常を追ったドキュメンタリー。
cocoレビューを見る佐藤真