2011年3月11日。東日本を襲った大震災。その夜、東京郊外の靴屋に勤める祥子は被災地に暮らす恋人、正志と連絡がつかずにいた。余震が続くなか、ようやく通じた電話で、正志が心のバランスを崩して入院したことを家族から知らされる。すぐに駆けつけたいとの申し出も、「これを機に別れた方があなたのためでもある」と断られてしまう。容赦なく戻ってくる日常生活のなかで、いっそう彼への想いに“揺れる”祥子。そんな時、いるはずのない正志が目の前に現れる…。
篠崎誠
東日本大震災――。多くの人々の日常を一変させたあの日から早いものでもう2年が経った。一日も早い復興を願って、多くの人々が行動を起こし続けている。この震災のことを忘れてはいけないし、忘れられるはずもない…