ジャックは、目が覚めると無機質な部屋の中にいた。ドアも窓も存在しない、完全なる密室。彼は意識朦朧としながらも、自らの記憶の糸をたどる。彼はケイトと結婚したばかりで、幸せな生活が待っているはずだった。それが何故このような状況になっているのか…。部屋の中の様子を探ると、壁に「Y」(YES)と「N」(NO)2つのボタンを見つける。妻・ケイトもジャックと同じ状況に陥っていた。そして一方的に質問が突き付けられる。「あなたはジャックを愛していますか?」自力で脱出する術も無い彼らは、それらの質問にボタンを押して答えていくが、互いが知らない別の顔が次第に明らかになっていき、夫婦の信頼が崩れ去る――。
エンリコ・クレリオ・ナジーノ