1995年、福岡。みどりは、妻を亡くして以来、絵本が描けなくなった絵本作家の父、洋志と二人で暮らしていた。そんなある日、父親が新しい母親を連れてくる。彼女の名は、「リンリン」、中国人だったのだ。リンリンとの性格の違い、文化の違いに戸惑い、受け入れられないみどり。そんなみどりのために、そして、リンリンのために、洋志は絵本を再び描き始める――。
林弘樹