1920年、パリからそう遠くない貴族の邸宅ではサロン音楽会が開かれていた。参加した新聞記者のボーモンは主役のマルグリット夫人の歌声に唖然とする。彼女は絶望的なほど音痴だったのだ!しかし、儀礼的な貴族たちの拍手喝采を受け、本人だけが気付いていなかった――。野心家のボーモンはマルグリットに近付こうと翌日の新聞で絶賛、彼女を出演者としてパリの音楽会に招待する。本物の観客の前で歌う喜びに目覚めたマルグリットは、リサイタルを開くと決意、真実を告げられない夫のジョルジュが止めるのも聞かず、有名歌手から特訓を受け始める…。
グザヴィエ・ジャノリ