19世紀末の北イタリア、ベルガモ。貧しいバティスティ一家は、小作人として農場に住み込んでいた。同じ村に暮らすのは、6人の子どもと父を養うルンク未亡人、美しい娘マッダレーナのいるブレナ一家と彼女を愛するステファノ、けちで知られるフィナール一家であった。4家族は皆、そこに住む土地、住居、家畜に農具等、すべての領主から借りて生計を立てていた。ある日、バティスティ家のミネク少年の大事な木靴が割れてしまう。村から遠く離れた学校に通う息子の為に、父親は河沿いのポプラの樹を伐り、新しい木靴を作ろうとする。だが、その樹木もまた領主のものであった。貧しい暮らしながら、気高く、美しく人生を生きる農民たちの姿を描いた感動の名作。監督・脚本・撮影・編集は、イタリアの巨匠エルマンノ・オルミ。出演者は全て素人の農民で、オール・ロケーション、自然光での撮影による徹底したリアリズムが、全編に溢れる詩情の映像美を生みだしている。
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