どこからか手紙が届いた。いまひとりの男の人生が終わろうとしている。彼はアフリカの小さな火山の島からやって来た。あれから何十年経ったのだろうか。いまは記憶も途切れ途切れだ。彼の元に女が現れた。故郷の島、カーボ・ヴェルデからの知らせを伝えるために。男は移民として日々の糧を稼ぐためにリスボンのスラムに暮らし、レンガ工場や工場現場で働いた。いまでも思い出すのは、故郷で飼っていた一頭の馬の記憶だった…。
ペドロ・コスタ