プノンペンに暮らす女子大生のソポンは、病を患う母と厳しい軍人の父、そして口うるさい弟との息苦しい生活にうんざりしていた。授業をサボっては遊び暮れ、父が決めた将軍の息子とのお見合い話から逃げ回る日々。そんなある晩、ソポンは街中でボーイフレンドのベスナとはぐれてしまう。ひとり夜の街をさまよううちに、バイクの駐輪場として使われている廃墟の映画館へとたどり着く。すると、古ぼけたスクリーンには自分とそっくりの少女が映し出されていた。驚きに目を見はるソポン。しかも、壁に貼られた一枚の古いポスターにはかつての母の姿が。主演女優“ソテア”。それはソポンの母だった。だが、そこにいる“ソテア”は、現在の母からは想像もできないほど美しく輝いていた…。
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