娼婦・楽園・植民地。タイ人娼婦と日本人客。桃源郷を取りもどすための旅がはじまる―。 こちらは、タイ、バンコク。日本人専門の歓楽街“タニヤ通り”。「カラオケ」と呼ばれる、昭和の匂い漂う日本式ホステスクラブがひしめく夜の町。ひな壇にズラリと並ぶタイ人の女たちは毎夜、流暢な日本語で迎えてくれる。ショート2500バーツ、ロング3500バーツ。すべては金次第。娼婦と客、女と男。“タニヤ嬢”ラック(スベンジャ・ポンコン)と元自衛隊員のオザワ(富田克也)。バンコクから東北地方イサーン、そしてラオスへと至る、ふたりの逃避行を描くロードムービーにして、それを取り巻くタニヤ嬢たちと、バンコクに蠢く怪しい日本人たちの欲望渦巻く群像劇。
富田克也