売れない女優・レイコ(つみきみほ)のもとにある日、昔の仲間で今や人気俳優になった三田(眞島秀和)からの紹介で、映画出演の話が舞い込んでくる。喜び勇むレイコだが、折悪しく母・ユキエ(田島令子)が“レビー小体型認知症”を発症し、かつての飼い犬・チロの幻視に悩まされるようになってしまう。女優としてこれが最後かも知れないチャンスと、母との生活を両立させようと奮闘するレイコだが…。娘、母それぞれが抱える「あったかもしれないもう1つの人生」への葛藤を、独特のユーモアを交えながら温かく見つめ、人間賛歌へと昇華させたハートフル・コメディ。
熊谷まどか