東日本大震災の復興プロジェクトの一環である「東北三部作」のラストを飾る映画。福島の女子高生――ヴァイオリンだけが取り柄のどこにでもいる少女。福島の男子高校生――絵を描くだけ、それで生きてきた。震災の影も彼に宿っているのだろう。とある田園風景の中で、そんな2人は出会った。ぎこちない邂逅、それがやがて恋へと発展する。それがどんな奇跡を生むかはわからない。儚く散るひとときの夢物語なのかもしれない。でも、彼らは出会った。この土地で、この場所で、世界の息吹を感じながら、彼らは人として生き、価値観を共有し、恋をする…。
山本寛